2017 Fiscal Year Research-status Report
統合失調症の認知矯正療法による脳の白質微細構造および機能的結合の変化に関する検討
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16K19779
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
松田 康裕 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (70445063)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 認知矯正療法 / 統合失調症 / 認知機能リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
対象者については、介入群は16名、対照群は15名の合計31名であった。 介入の前後に神経認知機能をBACS-Jで、精神症状をPANSSで、社会機能をLASMIで評価し、さらにMRIも実施した。全脳のボクセルベースの分析を用いて、皮質灰白質容積の有意な変化を検出し、また皮質の容積変化と認知機能リハビリテーションによる神経認知の改善との間の相関についても評価した。 VCAT-J介入群は、BACS-Jにおける言語流暢性(P=.012)とコンポジットスコア(P=.049)において通常治療群よりも有意な認知機能の改善を認めた。また、VCAT-J介入群群では通常治療群よりも右海馬容量の有意な増加を示した(P<.001)。さらに言語流暢性スコアと右海馬体積の変化は、正の相関があった(r=.53、P=.001)。 我々は、VCAT-Jが右海馬の容積を有意に増加させ、このような変化が言語流暢性スコアの変化と正の相関を有することを見出した。本研究の結果は、VCAT-Jが海馬の可塑性を介して神経認知機能の改善を誘導する可能性を示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究対象者が各群15例程度集まっており、当初の計画通りに順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
介入群および対照群の目標数に達するようデイケアや外来待合室に参加募集を呼びかけるポスターを貼る。
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Causes of Carryover |
学会経費、人件費および謝礼が計上していた額よりも少なかったため。 参加募集のポスターを貼付し、引き続き参加者増により謝礼および人件費が増える見込みである。 また学会参加も国内に加えて海外へも参加予定であり、旅費や参加費のため使用額が増す見込みである。
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