2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K19806
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
岡本 雅彦 群馬大学, 医学部附属病院, 講師 (10451725)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | PD-L1 / 放射線 |
Outline of Annual Research Achievements |
膵癌細胞panc-1に対して、X線、重粒子線を照射し、免疫チェックポイント関連蛋白PD-L1の発現をフローサイト、western blotにて確認した。照射線量、照射後の測定タイミングなど、幾つか条件を変えて実験を繰り返したが、PD-L1の有意な上昇は認められなかった。 インターフェロンγを用いた実験においては、PD-L1の発現上昇は確認されたため、実験系自体は問題無いことが確認された。 膵癌以外の樹立された細胞株に対象を拡大し同実験を繰り返したところ骨肉腫のひとつの細胞株においてX線、重粒子線ともに線量依存性にPD-L1が発現されることが確認された。一方で、悪性黒色腫、頭頸部癌の数種の細胞株ではPD-L1の上昇はみられず、cell line によってX線や重粒子線に対する反応が異なることも確認された。 またpanc-1に対して抗癌薬gemcitabineを繰り返し暴露させて確立した化学療法抵抗性株panc-1-R、ならびに放射線感受性を示すmicroRNAのhsa-miR-34a-5pをtransfectionした細胞株panc-1-SについてX線、重粒子を照射し、PD-L1の発現をフローサイト、western blotにて確認したが、結果は安定せずPD-L1の有意な上昇は認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の仮設通りの結果が検証できなかったため、進捗としては遅れている。 仮設の再設定と研究方針の見直しについて現在検討しているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
PD-L1が発現される細胞株が幾つか認められたが、それらの細胞について網羅的な解析を行うことは残った予算の観点から困難である。 そのためこれまでに得られた結果と、既存の論文やmicroRNAライブラリなどの公表されているデータを活用して、PD-L1と放射線・重粒子線に関する関連についての仮設を立て直し、検証を行う方針である。
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Causes of Carryover |
計画の実行が想定よりも遅れていたため、次年度に持ち越した。予算としては限られているため、仮設の立て直しを十分におこない、検証実験に活用する。
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