2017 Fiscal Year Research-status Report
重粒子線照射後におけるヒト癌細胞の浸潤、転移能についての研究
Project/Area Number |
16K19807
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
村田 和俊 群馬大学, 重粒子線医学推進機構, 助教 (60644557)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ヒト肺腺癌細胞 / 炭素線照射 / 浸潤能 / MMP / ROCK |
Outline of Annual Research Achievements |
1)炭素線照射によるヒト非小細胞肺癌の浸潤能更新とY-27632による抑制効果についての分子生物学的検討。 ヒト非小細胞肺癌であるA549において、Inviroの環境でBoyden chamber assayを行い低線量炭素線照射後の浸潤能亢進を確認した。さらにRhoキナーゼ(ROCK)阻害剤であるY-27632を用いることで細胞の浸潤能を抑制することも確認できた。このことからROCK阻害剤は遊走能だけでなく、立体的に組織間を浸潤する能力においても抑制効果を発揮することが示唆された。現在実験系をMatrigelを使用したInvasion Assay へ移行し、組織間質を溶解する能力とROCK阻害剤の関係を確認している。さらに浸潤能における組織間質の溶解に必要なタンパク質であるMMP(Matrix Metalloproiteinase)の発現についても炭素線照射後の変化とROCK阻害剤阻害剤の有無における変化をWesternblotを用いた解析を試みている。 2)炭素線照射によるヒト腫瘍細胞における接着能への影響の確認 放射線照射によってヒト腫瘍細胞で接着能が亢進する現象の報告は複数認められるが、炭素線照射による接着能や浸潤能への影響はまだ未解明な部分が多い。ヒト非小細胞肺癌細胞であるA549を用いて、InVitroの環境で腫瘍細胞における接着能への炭素線照射の影響を確認した。照射後12時間から24時間の接着能増強がしさされた。さらに詳細な条件検討を行い、Westernblotを用いて接着能に関わるタンパク質(FA、Eカドヘリンなど)の発現量変化を確認している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
MMPの発現条件、接着能にかかわる、FAや関連蛋白の条件検索、動物実験の条件検討に時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
1)浸潤能におけるMMPの発現変化を確認する。 2)接着能における関連蛋白の発現変化を確認する。 3)InVivoにおける、固形腫瘍の肺転移モデルを用いて、Y27632または同効薬のファスジルによる転移抑制能を確認する。
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Causes of Carryover |
予定されていたInvivo研究が終了できなかったことと、蛋白発現の研究の条件を検討していたために次年度使用額が生じた。 1)浸潤能におけるMMPの発現変化を確認する。 2)接着能における関連蛋白の発現変化を確認する。 3)InVivoにおける、固形腫瘍の肺転移モデルを用いて、Y27632または同効薬のファスジルによる転移抑制能を確認する。
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