2017 Fiscal Year Annual Research Report
RIT study of 177Lu-anti-ROBO1 IgG for small cell lung cancer
Project/Area Number |
16K19809
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Research Institution | National Institutes for Quantum and Radiological Science and Technology |
Principal Investigator |
藤原 健太郎 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 分子イメージング診断治療研究部, 博士研究員(任常) (80766907)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 放射線医学 / 核医学 / 放射免疫療法 / がん幹細胞標的治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
ROBO1陽性小細胞肺がんに対する放射免疫療法(RIT)の研究を実施した。当初使用予定であったLu-177の調達が輸入元の販売終了により不可能となったため、核種をY-90に変更し、Y-90標識抗ROBO1抗体によるRITとがん幹細胞を標的とした治療の検討を行った。 RITを行った腫瘍に対しは有効な治療効果を示すが、RITだけでは殺しきれない治療抵抗性を有する細胞の撲滅が課題とされていた。治療抵抗性細胞の一つとしてはがん幹細胞(CSC)が挙げられる。本研究では、CSC(CD44)への有効性が報告されているスルファサラジンとRITの併用治療を行い、CSCはスルファサラジンで、それ以外の腫瘍細胞はRITで治療する治療モデルの評価を行った。 小細胞肺がんモデルマウスを4グループに分け、それぞれ生理食塩水(コントロール)、スルファサラジン単独、RIT単独、RITとスルファサラジン併用の治療を行い、治療効果を評価した。また、これまではRIT薬剤の合成に用いるキレート剤にはDOTAを用いていたが、より簡便かつ短時間で標識可能なDTPAを用いた。 実験の結果、生理食塩水群、スルファサラジン単独群では腫瘍の縮小は認められなかった。なかった。RIT単独群、併用治療群の腫瘍体積は投与時と比較して全個体で10%以下まで縮小した。しかし、併用治療による治療効果の増強は確認できず、投与後30日頃からRIT単独群(4匹中3匹)、併用治療群(全個体)共に腫瘍の再増大が確認された。実験開始後40日時点で各群4匹中3匹を安楽死させ、再増大した腫瘍組織の分子生物学的解析を行っている。残った1匹ずつは当初設定した観察期間(投与後60日)まで生存した。特に、RIT単独群の個体は腫瘍が完全に消失し、観察終了まで寛解状態を維持した。
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