2017 Fiscal Year Research-status Report
拡散強調画像を用いた肛門括約筋・神経叢の機能評価と術後機能温存の予測
Project/Area Number |
16K19814
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
渡邊 春夫 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 非常勤講師 (30456529)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 拡散強調画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,拡散強調画像を用いて,直腸癌の術前評価として腫瘍進展範囲,神経叢や神経枝線維の走行,内外肛門括約筋の機能などを評価し,腫瘍の神経浸潤の有無,腫瘍と神経叢との解剖学的な位置関係,術後の排尿・排便障害などの温存を向上することを目的としている.これにより,手術計画において原発巣の切除範囲やリンパ節・神経叢の郭清範囲など,肛門機能の温存が可能かの決定に寄与し,術後合併症を回避し,Quality of lifeに関わる術後機能の温存をめざすことができると予測する. 直腸癌の外科手術においては直腸切断術および永久人工肛門造設が行われてきたが,近年では肛門を温存する様々な術式が開発されている.しかしながら,超低位前方切除術や側方郭清術の後遺症として,排尿障害や排便障害が患者のQOLを左右する.よって,術前に直腸周囲の神経線維の走行,内外肛門括約筋への浸潤程度や機能を予測・評価することは術前計画にとって非常に重要な課題である. 一方,今日の画像診断技術は飛躍的な進歩を遂げており,脳神経外科領域では拡散テンソル画像を用いて中枢神経の白質線維組織を描出することができるようになり,術後機能温存が重要となる錐体路近傍の病変に対する摘出術などで,術前・術中ナビゲーションとして応用されている. 拡散テンソル画像は神経線維や筋線維などの走行を描出できるため,腹部骨盤領域の外科手術においても有用である可能性がある.術前に神経線維の走行や腫瘍の進展範囲などをあらかじめ評価しておくことは重要で,術後機能温存に寄与すると予測し,QOLの維持や改善が期待できる. 今年度においては,直腸癌の術前検査として撮像された拡散強調画像を用いて,テンソル画像をフリーソフトを用いて作成することを試みた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
症例のサンプル数が少なく,画像解析ができていないこと.
|
Strategy for Future Research Activity |
トラクトグラフィーを作成できるように,拡散強調画像の軸設定,b値設定を改善し,コンソール上からの画像出力方法,フリーソフト入力時の画像形式についても再考する.
|
Causes of Carryover |
症例サンプルの保存に必要な記憶媒体と画像解析に必要なソフト購入
|