2018 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of the sphincter complex for rectal cancer on diffusion-weighted image
Project/Area Number |
16K19814
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
渡邊 春夫 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 非常勤講師 (30456529)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 拡散強調画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,拡散強調画像を用いて,直腸癌の術前評価として内外肛門括約筋の機能などを評価し,腫瘍との解剖学的な位置関係の評価,術後の排尿・排便障害などの温存を向上することを目的としている.これにより,手術計画において原発巣の切除範囲やリンパ節・神経叢の郭清範囲など,肛門機能の温存が可能かの決定に寄与し,術後合併症を回避し,Quality of lifeに関わる術後機能の温存をめざすことができると予測する. 直腸癌の外科手術においては直腸切断術および永久人工肛門造設が行われてきたが,近年では肛門を温存する様々な術式が開発されている.しかしながら,超低位前方切除術や側方郭清術の後遺症として,排尿障害や排便障害が患者のQOLを左右する.よって,術前に直腸周囲の内外肛門括約筋への浸潤程度や機能を予測・評価することは術前計画にとって非常に重要な課題である. 直腸癌の化学放射線療法前後にMRI検査が施行された14例を対象に,肛門周囲筋群の厚み,括約筋のT2信号とADC値を計測し,加療前後で比較した.また21例に対し拡散テンソル画像を用いて,直腸周囲筋群のFA値,ADC値を計測し,トラクトグラフィーの作成を試みた. 加療前後において,加療後の外肛門括約筋は加療前と比べて厚みが減少し,ADC値の上昇がみられた.また,15軸を用いた拡散テンソル画像から得られた外肛門括約筋のFA値およびADC値との間に中等度の相関がみられた.トラクトグラフィーでは,外肛門括約筋,内肛門括約筋の筋線維と思われるファイバーを描出することができ,手術前の治療計画に有用となる可能性がみられた.
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