2016 Fiscal Year Research-status Report
非造影MRAと圧縮センシングの融合を軸とした肝移植ドナー術前MRI検査法の確立
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16K19816
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
有薗 茂樹 京都大学, 医学研究科, 特定病院助教 (00749608)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 圧縮センシング / MR angiography / MRCP / 生体肝移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
生体肝移植ではドナー候補者の術前解剖評価が重要であるが、造影CTで行われるためヨード造影剤のリスクと被曝増加が問題となっている。本研究ではこれを克服するため、非造影MR angiography(MRA)への圧縮センシング応用を軸とした撮像時間短縮と画質改善を試み、最終的に造影CTと遜色ない術前評価を、造影剤なし・被曝なしで、妥当な検査時間内で施行できることを目指している。 当該年度において、門脈については呼吸停止下の非造影MR portographyの撮像手法について検討し、実際に健常ボランティアを対象とした撮像を行った。現状では30秒程度の呼吸停止が必要となるが、肝内門脈亜区域枝レベルまでは呼吸同期MR portographyに劣らない診断能が得られる。この研究内容は今後学会、専門誌で発表する予定である。 肝静脈については、高分解能MPRAGE(予備IRパルス付3D高速グラディエントエコー)を用いた手法での描出を検討した。これは従来法の欠点となるbanding artifactを排した手法で、良好な肝静脈描出が得られることが分かった。gold standardとなる造影CTとの比較検討を実際のドナー候補者で行っており、その結果が専門誌に掲載される予定である。 胆管については圧縮センシング併用呼吸停止下3D-MRCPを実際のドナー候補者に対して撮像、現在もデータ収集中である。今後呼吸同期併用3D-MRCPとの比較検討を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
門脈、肝静脈についてはすでに良好な結果が得られており、計画通りもしくは予定以上に順調である。胆管については今後の評価次第であるが、計画通りには進んでいる。一方で肝動脈については呼吸同期法、心電同期法の併用、さらに圧縮センシングの応用をするための調整が難しく、目指すレベルの画像を得る見通しが現状では立っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
門脈、肝静脈についてはすでに一定の結果が得られた。 胆管については引き続きデータを収集し、予定通り分析を行っていく。 肝動脈については現状の方針では見通しが立っておらず、心電同期を併用しない新たな手法も視野に検討を進める。
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Causes of Carryover |
当該年度の研究では高額な計算機器等の使用が想定外に不要であったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
画像解析、処理用のコンピュータ、ワークステーションの購入。国内、海外学会での情報収集と成果発表。
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