2018 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of genetic profiles from public database
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16K19817
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
玉利 慶介 大阪大学, 医学系研究科, 特任助教(常勤) (30718995)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 放射線治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は現在国際的に進行中の癌ゲノム配列情報やマイクロアレイによる遺伝子発現量を統計学的に解析して癌の放射線抵抗性にかかわりそうな遺伝子変異や遺伝子発現パターンを同定し、実際に細胞株を用いてその遺伝子変異や遺伝子発現を導入することで、放射線感 受性が変化するかについて確認したいと考えている。平成28年度~平成29年度の2年で、TCGAに公開されているデータから遺伝子発現パターンと予後相関について、初年度の平成28年度はまず研究遂行に適切なパーソナルコンピュータなどの環境を整えることから始め、公共データベースから遺伝子情報を抽出する作業を確立し、特にマイクロRNA-seqからの遺伝子発現量を解析することができるようになった。まず、マイクロRNAについて予後との相関を調べた結果、miR-654-3pの低発現である子宮頸癌では予後が不良であるという結果を得た。ここで、癌幹細胞は癌細胞集団の少数を占める抗がん剤や放射線治療に抵抗性で造腫瘍能の高い細胞として知られているが、子宮頸癌細胞株のHeLaの癌幹細胞のmiR-654-3pは低発現であることがわかった。miR-654-3pというマイクロRNAが低発現であれば、癌が癌幹細胞様細胞の集団となり、治療抵抗性となることが示唆された。本研究により、癌の臨床と、癌幹細胞の基礎研究を関連づけることができると考えられ、今後も新たな候補遺伝子の探索を続ける予定である。
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