2017 Fiscal Year Research-status Report
NASH、NASH発癌における非侵襲的検査による早期診断の確立
Project/Area Number |
16K19823
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
日高 勲 山口大学, 医学部附属病院, 助教 (70593440)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | NASH / 非侵襲的診断 / RTE / フィブロスキャン / NASH発癌 / 内臓脂肪蓄積 |
Outline of Annual Research Achievements |
検討1.NAFLD症例におけるフィブロスキャン、RTEによる肝硬度測定と肝生検の比較および検討2.NASHと内臓脂肪蓄積との関連 2017年11月までに肝生検を施行したNAFLD症例55例において、NAS(NASH activity score) の脂肪化・炎症・風船様変性を反映するパラメーターおよび線維化を反映するマーカーを血液検査およびフィブロスキャン、RTE(Real-time tissue elastography)の測定項目より探索した。全症例におけるRTEのMEANは、97.9±15.0であり、FibroScanによるTE(Trangent elastography)は 7.9±4.7kPa、 CAP(Controlled attenuation parameter) 302.4±65.1dB/mであった。単変量解析では脂肪化とはCAP、エコーB-modeでの評価が、炎症スコアとはASTが、BallooningスコアとはHOMA-Rが有意な相関を示した。また、線維化とはRTEのMEAN, LFIも相関していたが、FibroScanによるTEがもっとも良好な因子であった。CAP, AST, HOMA-R, TEによる仮想NASを作成したところ、NASと良好な相関を示した。 また、本研究で採取した肝生検組織を用いて東京医科歯科大学 小川佳宏教授らとの共同研究により、組織診断におけるhCLS (hepatic crown-like structure)の有用性を見出し、論文発表した。 検討3.NASH発癌と内臓脂肪面積、肝弾性度との関連の検討 HCV関連発癌70例とNASH関連発癌としてnonBnonC発癌66例においてCTによる内臓脂肪面積(VFA)を比較した。NASH発癌群VFA197.3±79.7cm^2であり、HCV発癌群VFA124.9±44.8cm^2に比して有意に内臓脂肪が蓄積していた(p<.001)。またBMIもNASH発癌群で有意に高値であった。NASH発癌群におけるVFAは非担癌NASH症例と比較しても同程度であったが、BMIはNASH症例より低く、NASH発癌では骨格筋量が減少していることが示唆された。いわゆるsarcopenia肥満がNASH発癌の身体的特徴として挙げられ、囲い込みに有効と考えられた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
いずれの検討においても順調に症例の蓄積が行えている。 検討1.NAFLD症例におけるフィブロスキャン、RTEによる肝硬度測定と肝生検の比較および検討2.NASHと内臓脂肪蓄積との関連においてはNASH肝線維化とRTEやFibroscanにおける肝硬度との関連を見いだせており、さらに血清マーカーを含めた非侵襲的仮想NASを作成し、肝生検組織診断によるNASの相関を認めた。 検討3.NASH発癌と内臓脂肪面積、肝弾性度との関連の検討においてはNASH発癌における内臓脂肪蓄積を証明した。 引き続き、研究計画通りに検討を進めていく。
|
Strategy for Future Research Activity |
症例の蓄積は順調であるが、平成30年度も症例の蓄積を継続する。 さらに平成30年度は検討1.NAFLD症例におけるフィブロスキャン、RTEによる肝硬度測定と肝生検の比較および検討2.NASHと内臓脂肪蓄積との関連において見出した非侵襲的肝硬度測定と肝生検におけるNASHの肝線維化との関連や血清マーカーおよびFibroscanによるNASH診断(仮想NAS)の有用性について追加検証し、論文化を目指す。 また、検討3.NASH発癌と内臓脂肪面積、肝弾性度との関連の検討においてもNASH発癌における内臓脂肪蓄積と骨格筋量低下について追加検討し、いわゆるsarcopenia肥満がNASH発癌の要因である可能性を検証する。
|
Causes of Carryover |
(理由)外注検査費用や消耗品が見込額より安価となった。また、研究成果を論文投稿に向け作成中であるが、投稿準備が整わず、平成30年度に投稿予定となったため。 (使用計画)引き続き、検体集積、外注検査を行う予定であり、平成29年度残額と平成30年度定額が必要である。また、結果の解析を進め、投稿準備中であり、論文投稿のため平成29年度残額を含めた研究費を使用予定である。
|
-
[Journal Article] CD11c+ resident macrophages drive hepatocyte death-triggered liver fibrosis in a murine model of nonalcoholic steatohepatitis2017
Author(s)
Michiko Itoh, Takayoshi Suganami, Hideaki Kato, Sayaka Kanai, Ibuki Shirakawa, Takeru Sakai, Toshihiro Goto, Masahiro Asakawa, Isao Hidaka, Hiroshi Sakugawa, Koji Ohnishi, Yoshihiro Komohara, Kenichi Asano, Isao Sakaida, Masato Tanaka and Yoshihiro Ogawa
-
Journal Title
JCI insight
Volume: 22
Pages: ahead of print
DOI
Peer Reviewed / Open Access
-
-
-