2017 Fiscal Year Research-status Report
PET/MRを用いた画素単位でのマルチパラメトリック解析:骨軟部腫瘍への応用
Project/Area Number |
16K19827
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
鷺山 幸二 九州大学, 大学病院, 助教 (20755243)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | PET/MR / 骨軟部腫瘍 / FDG-PET / 拡散強調像 / Voxel-based analysis / APT imaging |
Outline of Annual Research Achievements |
PET/MR 装置はFDG-PET による糖代謝情報とMR による詳細な解剖学的情報および様々な機能画像を同時に取得可能な新しいマルチ分子イメージング装置であり、高精度の融合画像を得ることができる。本研究では骨軟部腫瘍を対象とし、従来の手法では不可能であった腫瘍内部の様々な代謝や機能画像を重ね合わせて画素単位で直接比較し、腫瘍の悪性度診断や治療効果の予測および判定に用いるための手法の確立とその応用を目的としている。計画している具体的な研究項目は、①高解像度PET/MR イメージング手法の開発、②腫瘍内部の画素単位でのマルチパラメトリック解析の開発、③治療効果判定・予測方法の確立、の3 つである。 本年度はこのうち、PET/MR撮像手法の開発および最適化、腫瘍内の画素単位での解析法の2点を引き続き行った。特に前者に関しては組織内のアミド基のプロトンを可視化することによって腫瘍の蛋白濃度を推定するAmide Proton Transfer (APT) ImagingをPET/MR装置へ導入した。これによって糖代謝の指標であるFDG-PETのSUV値と蛋白代謝の指標とされるAPT値をボクセル単位で詳細に比較検討することが可能となった。少数の患者に対して先行研究を行ったところ、SUV値単独と比較して軟部腫瘍の鑑別診断に有用であることを示唆する結果であった。症例を増やし学会および論文にて発表する予定である。後者に関しては昨年度に引き続きFDG-PETのSUVと拡散強調像の定量値であるADCの画素単位での相関および分布を定量化する手法を開発し、骨軟部腫瘍の悪性度診断に有用であるという知見が得られたため、論文発表を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PET撮像法およびMRシークエンスの最適化、骨軟部腫瘍の内部性状や不均一性を評価するためのマルチパラメトリック解析法の開発はいずれも順調に進行しており、ほぼ予定通りの進捗である。また、患者データの収集も順調に行っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
骨軟部腫瘍患者でのデータ収集と解析を引き続き行う。それに加え化学療法あるいは放射線照射前後の患者データを収集し、画素単位でのデータの分布から治療効果判定や予後予測を推定するモデルの確立を目指す。またAPTイメージングやArterial spin labeling法など様々なMRの代謝画像の応用やアミノ酸トレーサーなど新たなPETトレーサーの導入なども検討していく予定である。
|
Causes of Carryover |
本年度の支出は学会発表を目的とした旅費支出が主要なものであったが、端数で若干の余りが生じた。 繰り越し分は翌年度の旅費および論文発表に関わる英文校正などの費用に充てる予定である。
|
Research Products
(4 results)