2017 Fiscal Year Research-status Report
神経変性疾患に対する定量的磁化率マッピングの有用性の検討
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16K19835
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
東 美菜子 宮崎大学, 医学部, 助教 (00643389)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | パーキンソン症候群 / QSM |
Outline of Annual Research Achievements |
パーキンソン病・パーキンソン症候群・アルツハイマー病・レビー小体病における深部灰白質の磁化率値の評価を行った。 パーキンソン病・パーキンソン症候群(進行性核上性麻痺、多系統萎縮症)とアルツハイマー病・レビー小体病を対象に、QSM画像を撮影し、QSM画像上で深部灰白質に関心領域(ROI)を設定し、2名の放射線科医の合意のもとに脳磁化率の測定を行った。深部灰白質(黒質、赤核、被殻、尾状核頭部、淡蒼球)の磁化率を評価した。赤核、被殻、尾状核頭部、淡蒼球については軸位断像を用いた。黒質に関しては、腹側から前・中・後部の3点を設定し、それぞれの磁化率値を測定して分布の様式を評価した。測定の際には視床下核のコンタミネーションを避けるため、軸位断像ではなく冠状断像を用いた。QSM上の深部灰白質に関心領域(ROI)を設定することで得られた磁化率値を用いて、①パーキンソン病患者とパーキンソン症候群患者(進行性核上性麻痺、多系統萎縮症)と健常者、②アルツハイマー病・レビー小体病と健常者を統計学的に比較した。 まず、①パーキンソン病患者とパーキンソン症候群患者(進行性核上性麻痺、多系統萎縮症)と健常者の比較については、淡蒼球の磁化率値は進行性核上性麻痺で有意に高かった。黒質については、進行性核上性麻痺が有意に高かったが、パーキンソン病も高値を示した。多系統萎縮症では淡蒼球・黒質いずれも磁化率値の上昇は見られなかった。これらの結果から、これらの疾患の鑑別においてQSMは有用と考えられた。この結果をもとに論文作成し、現在投稿中である。 ②アルツハイマー病・レビー小体病と健常者についても同様の検討を行ったが、有意な結果は認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①パーキンソン病患者とパーキンソン症候群患者(進行性核上性麻痺、多系統萎縮症)と健常者の比較に関しては予定通りの時期に論文投稿ができた。 ②アルツハイマー病・レビー小体病と健常者については検討をしなおし、本年度中に論文投稿ができる状態にする予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
アルツハイマー病・レビー小体病と健常者の結果については検討をしなおし、本年度中に論文投稿ができる状態にする予定である。検討項目の見直しが必要であり、過去の文献等を参考に再度検討する。
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Causes of Carryover |
参加を予定していた学会の出席が、診療の都合上不可能となり、学会参加に充てる予定であった予算に余りが生じた。次年度は論文投稿に際し必要となる費用を考え、その経費に充てる予定である。
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