2016 Fiscal Year Research-status Report
「不均衡なクモ膜下腔の拡大」は正常圧水頭症に特異的か? 既病理確定例による検討
Project/Area Number |
16K19839
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
櫻井 圭太 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (70453066)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 不均衡なクモ膜下腔の拡大を伴う水頭症(DESH) |
Outline of Annual Research Achievements |
・今年度は東京都健康長寿医療センター及び福祉村病院神経病理研究所のデータベースを用いて,頭部MRI及びCTにて「不均衡なクモ膜下腔の拡大を伴う水頭症(DESH)」を呈する既病理確定例を検索している.現時点では,上記のDESH所見を有する既病理確定例として,アルツハイマー病,レビー小体型認知症,嗜銀顆粒病と診断された症例が認められた. 現在,これらの画像所見に関して,信号変化,萎縮所見を中心とした視察的評価に加え,画像統計解析を含めた画像解析を行いつつ,更なる症例収集を行っている. ・上記のアルツハイマー病の病理像に加え,画像にてDESH,中脳被蓋の萎縮を呈した症例に関しては,進行性核上性麻痺の画像所見に関する論文(Neuroradiology 2017; 59: 431-43)にて,DESHを有する症例の注意点として,言及した. ・DESH/正常圧水頭症に関連した画像所見として,腰椎穿刺に伴う脳脊髄液漏出がある.穿刺後の脳脊髄液漏出の新たなMRI所見を発見し,「Dinosaur tail sign」と命名した.この新たなsignとその他の画像所見の診断率などを纏めて,英文誌に上梓した(Headache. 2017 Apr 16. doi: 10.1111/head.13075).また,2017年日本画像医学会の脳脊髄液漏出の画像診断に関する講演にて「Dinosaur tail sign」について言及した. 更に,「Dinosaur tail sign」を呈する症例に関する画像所見に関して,現在,英文誌に投稿中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
画像にてDESH所見を有する既病理確定例を収集できたことはある程度の進展であり,今後の画像評価の弾みになると言える. また,DESHを有する症例の画像診断時の注意点やDESHに関連した画像所見に関して,英文誌にて言及できたことは一つの進展であった.
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き,東京都健康長寿医療センター及び福祉村病院神経病理研究所のデータベースを検索し,更なる症例収集を行う. 画像評価に関しては,信号変化,萎縮所見を中心とした視察的評価に加え,画像統計解析を含めた画像解析を行っている.
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Causes of Carryover |
国外文献ダウンロードを1文献控えたため,次年度使用額が発生しました.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度以降,国外文献ダウンロードや書籍購入に使用する予定です.
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