2017 Fiscal Year Research-status Report
乳房ダイナミックMRI・早期造影動態解析を用いた新規乳腺病変評価法の構築
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16K19840
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
後藤 眞理子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20605042)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 乳房ダイナミックMRI / 早期造影動態解析 / 乳癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、乳房ダイナミックMRI造影早期相における詳細な造影動態解析から得られる新規パラメータを用いた乳腺病変質的診断能の向上と新たな診断基準の構築である。 乳房MRI撮影では、乳腺病変の良悪性鑑別や乳癌広がり診断に必要な形態評価のために、高空間分解能での撮影が必須である。しかし、MRIには時間-空間分解能間にtrade-offの関係があり、これまでは高時間分解能での造影動態解析を同時に行うことは困難であった。 近年、高速かつ高空間分解能 T1強調像の撮影が可能な新しい撮影方法が導入され、この問題点が解決され、形態診断と造影早期相における詳細な造影動態解析が同時に可能となった。本研究がもたらす結果は、現在の乳房ダイナミックMRIによる乳腺病変診断における問題の1つである特異度の低さの改善に寄与する可能性があり、不必要な生検や過大手術の回避に有効であれば臨床的意義が高いと考えられる。 本年度は初年度に蓄積した臨床乳房MRI、造影早期相高速撮像法から得られた画像データを使用し、専用ソフトウェアを用いて早期造影動態解析パラメータ、time to enhancement (TTE)と maximum slope (MS) の算出を行った。得られた解析結果から、TTE 及び MS の乳腺造影病変診断能、造影病変タイプ別(mass, non-mass enhancement, focus)の乳房MRI診断能改善効果を算出。統計学的解析を行った結果、non-mass enhancement で診断能改善効果が得られることがわかった。本結果について現在論文作成中である。 次年度は国際学会報告、論文投稿と採択を目指す計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度までに得られた画像データから、本年度は引き続き造影早期相の造影動態解析・新規パラメータ TTE, MSの算出を終了。得られた結果から論文作成をほぼ終了している。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は国際学会報告、論文投稿を目指す予定である。
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Causes of Carryover |
一部の物品購入を行わなかったため。
研究成果発表のための出張旅費及び学会参加費、また論文発表のための英文校正等の費用に使用する予定である。
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