2017 Fiscal Year Research-status Report
NBCA血管塞栓術におけるNBCA専用調整製剤の開発
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16K19841
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
林 奈津子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員講師 (70736173)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | NBCA / インターベンショナルラジオロジー / リピオドール |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は NBCA の重合速度と塞栓深度のコントロールをより正確にしうる混合物質を明らかにし、安全な血管塞栓術を行うための使用方法を確立することを目的としている。 2年目である平成29年度は前年度に引き続き、NBCA とリピオドールの混合液(NBCA-リピオドール混合液)およびシアノアクリレート製剤とリピオドールの混合液を用いて血管内挙動の解析について基礎的研究を行った。生体内の血流にできるだけ近い環境で塞栓物質の挙動を観察する必要があると考えたため、脈動ポンプを導入し定常流と脈動流での硬化の違いを観察した。前年度に開発した血流流体モデルについてもさらに改良し、標的となる血管の血流が低下した際にはネットワークを介して他の脈管に多く血液が流れることで圧を逃す回路を考案した。前年度に得られたデータよりもさらに生体内に近い状態で、NBCAやその他のシアノアクリレート製剤と種々の割合でリピオドールを混合した液を注入することで血管閉塞について観察し様々なデータを得ることができた。開発した実験系および実験により得られたデータを学会発表し、さらに引き続き詳細なデータを収集していく予定である。 この2年間に得られた情報をもとに、本研究の課題となっている新たな混合物質の開発により硬化をさらに良好に調整しうる混合液を作成した際には、NBCA-リピオドール混合液と新規混合液 のどちらが臨床的に有用かを比較する基準となりうると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
基礎実験において、より生体内の血流に近いモデルでのデータ収集が必要と判断し、流体モデルの改良および脈動ポンプの導入を追加して再度データ収集を行っており、予定よりもやや遅れている。しかしながら、前年度の実験系で得られたデータよりもより臨床に近いデータが得られるものと期待している。引き続き、当初の実験予定を遂行できるように努力していきます。
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Strategy for Future Research Activity |
NBCA-リピオドール混合液の流体モデルでの実験データを学会発表する。また、NBCAと新たな物質を混合し、前年度同様に硬化実験を行なっていく予定である。
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Causes of Carryover |
基礎実験が当初の予定よりやや遅れているため、昨年度予定の実験の一部が未実施となっている。次年度に追加で行う実験費用として考えている。
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