2018 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
16K19842
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
市橋 成夫 奈良県立医科大学, 医学部, 学内講師 (60597102)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | intimal hyperplasia |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はステント内腔側表面が内皮細胞層に完全に被覆された金属ステント バイオステントの開発を行ってきた。本研究ではステントとして薬剤溶出ステント (drug eluting stent: DES)を使用した。DESではステント表面からの溶出薬剤により、平滑筋細胞増殖、内膜過形成が抑制され、良好な成績が示されているが、ステント内面の内皮化をも妨げ、ステント留置後晩期の血栓形成が問題とされている。予めステント内部を内皮化することで、内膜過形成や血栓形成を抑制することが目的である。ビーグル犬の内皮細胞の分離は、大腿静脈を露出、切開して行った。大腿静脈は径2-3mmと細径であり、切離した4-5cmの切片はさらに収縮して2cmほどに短縮化したため、その後の分離培養に難渋した。数は少ないながらも採取できた内皮細胞を培養し、DES内面にconfluentな内皮細胞層を達成できた。ビーグル犬の頸静脈をカットダウンし、ステントを挿入しようとしたが、血流遮断下で行なったため、静脈は虚脱した。虚脱した頸静脈径に比して、ステント径が大きいため、ステントの挿入ができなかった。血管留置用シースを切断し、内部に作成したシースを充填することで、血管内への留置には成功したが、ステントがビーグル犬の右房にmigrationしたため、不成功に終わった。その後他のビーグル犬の大腿静脈から血管を採取、細胞を培養しているが、細胞の増殖速度が遅く、ステント作成、implantationに遅延が生じている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ビーグル犬の静脈が予想以上に短径で、さらに採取後に短縮したために、細胞分離の操作に難渋し、熟練を要した。また採取できた細胞数も少なく、細胞培養にも時間を要した。DES内面に内皮層を確立した後、ビーグル犬への留置に際して、内皮層へのダメージを避けるためにカテーテルを用いたステントデリバリーは避け、頸静脈を外科的に露出し、ステントを直接留置することを試みたが、ステント径の方が静脈径より大きく、縫合閉鎖ができなかった。最終的にシースを用いて血管内への留置に成功したが、ステントが右房にmigrationしてしまい、実験としては不成功に終わった。
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Strategy for Future Research Activity |
内皮化されたDESのカテーテル内への収納、経カテーテル的ステント留置法を確立したが、右房にstent migrationが生じたため、再度ビーグル犬への留置実験を複数回繰り返し、DESと内皮化DESにおける、開存率の差異、内膜過形成や血栓形成について評価を行う予定である。
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Causes of Carryover |
ビーグル犬頸静脈に留置したstentが右房にmigrationしたため、他のビーグル犬の血管採取、細胞培養を行なっているが、細胞の増殖が遅く、biostent作成にまで至らなかったため。
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