2016 Fiscal Year Research-status Report
DRLs2015以降のCT検査被ばくの検証-さらなる被ばく低減を目指して-
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16K19845
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
田村 明生 (赤羽明生) 岩手医科大学, 医学部, 助教 (90714444)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | CT / 放射線被ばく / 精度管理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はDRLs2015勧告後の岩手県内におけるCT検査による被ばくを検証し、被ばく低減を目指した精度管理方法を確立することである。全国との比較や地域の特徴を調査すべく、県内のCTに関する被ばく実態調査を実施した。 1.岩手県診療放射線技師会に所属する106施設に調査を行い、42施設より回答を得られた。対象部位は成人の頭部、胸部、腹部、冠動脈、小児頭部(1歳未満、1~5歳、6~10歳)とした。調査内容は撮影プロトコル、画像SD値、CTDIvol、DLP値とし75パーセントタイル値を求めた。 2.調査の結果、逐次近似応用再構成法を導入している施設は全体の33%であった。標準体型における各部位のDLP75パーセントタイル値は成人頭部1254mGy・cm、成人胸部601 mGy・cm、成人腹部948 mGy・cm、冠動脈1580 mGy・cmであった。小児頭部は1歳未満286 mGy・cm、1~5歳708 mGy・cm、6~10歳706 mGy・cmであった。 3.DRLs2015と本調査結果を比較すると冠動脈と胸部で岩手県がやや高値となった。胸腹部CT検査では逐次近似応用再構成の有無でDLP値に差が見られ、FBP再構成群で高値の傾向を示した。冠動脈CT検査は最小値と最大値で2桁以上DLP値に差があり、施設間格差が顕著であった。小児撮影プロトコルを設定している施設は全体の4割程度で、成人プロトコルをそのまま利用するケースもあり、小児撮影に対する課題が浮き彫りになった。以上の結果について学会発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
基礎となるデータは集められたと考えられる。 次年度はファントムを用いた画像評価および精度管理法の開発、各施設での画像表及び精度管理法の検討、研究成果の中間報告を予定している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、各施設のCTの精度評価を行う。ファントム実験による精度管理方法の確立を行い、当初予定していたデジタルファントムの使用について実行可能性があるか検討する。併せてデジタルファントムによらない精度管理方法も検討する。また今年度の調査結果について論文発表を行う。
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Causes of Carryover |
今年度の使用目的は岩手県内のCT被ばく調査であり、ほぼ達成できた。 被ばく調査の他にファントムによる撮影実験も開始したが、ファントムが想定よりも安価でレンタルできたため、次年度の経費に計上することにした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は精度管理に関する研究をすすめる予定である。県内施設の調査のために旅費が必要である。また前年度の成果について国内学会発表、論文発表を計画している。学会参加費、旅費、投稿論文執筆に際し、論文投稿料、掲載料、事務用品の購入等を予定している。
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