2017 Fiscal Year Research-status Report
DRLs2015以降のCT検査被ばくの検証-さらなる被ばく低減を目指して-
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16K19845
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
田村 明生 (赤羽明生) 岩手医科大学, 医学部, 助教 (90714444)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | CT / 放射線被ばく / ノイズ低減 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までの調査からは医療被ばくの正当化と最適化を図るために、放射線検査の線量管理の重要性が示唆された。平成30年度からの線量情報管理システムの導入を目的に、情報収集を行った。また前年度の調査からは、各施設のCTで低管電圧、逐次近似応用再構成法の適用が少なく、これが施設間でDLP値に差が生じた理由と考えられた。逐次近似応用再構成法の採用にはCT撮影装置の更新が必要なため、多額の費用が生じる。そのため撮影装置、再構成方法に依存しない低線量撮影方法の実現可能性を検討するため、イメージベースのノイズ低減ソフトウェア(NRS)の有用性を検討した。今回、物理特性をハイブリッド型逐次近似再構成法(AIDR)、FBPと比較しながら評価した。FBP、AIDR両者のNRS処理画像についてSD、NPS、CNR、MTFを測定した。SDおよびNPSは22cm径水ファントムに対し電流を50-500mAと段階的に変化させて画像取得し、平均SD値および加算平均画像からNPSを測定した。CNRはcatphan CTP263を用い電流を50-500mAと段階的に変化させて取得した画像から測定した。SDはAIDR+NRS処理がFBP、AIDR、FBP+NRS処理それぞれに対しover allで63%、47%、28%低下を示した。CNRはAIDR+NRS処理がFBP、AIDR、FBP+NRS処理それぞれに対しover allで153%、87%、28%高値を示した。NPSは全周波数でノイズが低減されたが、特に低周波数領域のノイズ低減効果が大きかった。MTFはCT値差100HUにおいてFBP、AIDRともにNRS使用により低-中周波数領域で低下を示した。以上からNRSにより、逐次近似再構成法を採用しないCT装置でも、線量を増加せずとも画質を担保した撮影に実行可能性があることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
概ね予定通り順調に成果を上げているが、精度管理ソフトの導入に遅れが生じているため。
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Strategy for Future Research Activity |
①精度管理ソフトの導入とともに、ファントム実験による精度管理方法の確立と精度管理ソフトの運用法の確立を行う。 ②すでに実施された、より実行可能性の高いイメージベースのノイズ低減ソフトの検証をもとに、実臨床での実行可能性および有用性について検討する。 ③昨年度、今年度の成果について学会発表、英語論文発表を行う。
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Causes of Carryover |
本研究の第一目標は岩手県内のCT被ばく調査であったが、アンケートによる調査で内容が充足したため、他施設の実地調査は行われなかった。そのため計上していた旅費が利用されず、次年度使用額が生じた。すでに実施されたアンケート調査をもとに、より実行可能性の高いイメージベースのノイズ低減ソフトの検証を行うため、次年度の予算に計上した。また前年度の成果について国内学会発表、論文発表を計画している。学会参加費、旅費、投稿論文執筆に際し、論文投稿料、掲載料、事務用品の購入等を予定している。
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