2017 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of a cancer diagnosis method using DNA increase derived from plasma tumor after the radiation therapy
Project/Area Number |
16K19856
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
影山 俊一郎 国立研究開発法人国立がん研究センター, 東病院, 医員 (60644979)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | cell free DNA / EGFR / radiation |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】血漿中腫瘍由来DNA(cfDNA)は癌の診断や分子標的薬の感受性予測に有用であることが知られているが、検出感度が課題となっている。本研究では放射線治療が癌組織特異的に細胞死を誘導する点に着目し、放射線照射後に血漿中腫瘍由来DNAが増加するという臨床仮説立て、手法の確立を目的とした。【方法】放射線治療後のcfDNA増加の検出を主要評価項目とした非介入前向き観察研究を行い検証した。2013年7月から2015年7月までに原発性非小細胞肺癌と診断され放射線治療単独での治療方針となり、本試験に同意された症例を対象とした。放射線治療前の患者血漿を標準とし、放射線治療後に照射開始後1日後から照射終了1週間後にかけて継時的に採血を行い、血漿中の遊離DNAを単離した。まず血漿中DNA総量を計測し、放射線照射後の変化を調べた。次に放射線治療後の腫瘍由来DNA測定のためdigital PCRを用いてEGFR変異を定量し、cancer panelによるシークエンス解析を行った。 【結果】登録症例は肺非小細胞の患者17例であり、放射線照射による血漿中DNAの増加は照射後24時間から認められ、照射開始後7日以内に最大値を示すことが明らかとなった。 さらにdigital PCR、シークエンス解析でも放射線治療後に血漿中腫瘍由来変異DNAが2~30倍に増加することが明らかとなった。【考察】Cell free DNA診断は今年度中に薬事承認が期待されており、今後ますます盛んに行われると考えられている。本研究は放射線治療を組み合わせることでより有効な検査法となり得ることを示した。本研究成果は2017年の第30回日本放射線腫瘍学会の要望演題として採択され、2018年4月にoncotarget誌に掲載された。
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