2017 Fiscal Year Research-status Report
3次元の心臓ストレイン解析法の開発と修正大血管転位の予後予測への応用
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16K19860
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
河窪 正照 九州大学, 大学院医学研究院保健学部門, 助教 (80608985)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Cardiac MRI / Myocardial strain / Myocardial torsion / Three-dimensional MRI / Image interpolation / Computed Tomography |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、3次元のストレイン解析法の妥当性の検証に取り組む予定であった。 MRIによる3次元のストレイン解析手法は概ね確立することができた。第73回日本放射線技術学会総会学術大会(横浜市)の「シネMR画像の時間的および空間的な補間処理による4次元の心臓MRイメージング」では、補間画像によって左心室および右心室のストレインを算出し、原画像を用いて算出されたストレインと高い相関関係があり、いかなる系統誤差も認められないことを示した。さらに、ISMRM(米国)の「Three-dimensional Bi-ventricular Myocardial Feature Tracking for Congenital Heart Disease Using Standard Cardiac Cine MRI with Interpolation Technique Based on Moving Gradients」では、2次元のMRデータを3次元に拡張して3次元のストレインを算出し、先天性心疾患患者において、従来の一般的な心機能指標であるejection fractionと3Dストレインに高い相関があることを報告した。さらに、日本放射線技術学会秋季学術大会(広島市)の「時間的補間を用いた高速シネMRIのFeature Trackingによる心筋ストレイン解析」では、補間画像によるストレイン解析によって、MRIの検査時間を短縮しつつ、左室収縮機能を感度80%、特異度71%で診断可能であることを報告した。現在はこれらの報告を英語の原稿としてまとめ、国際学会誌に投稿し査読中である。 またCTによるストレイン解析においても概ね順調に進行しており、共同研究者らと協力して、アルゴリズムの開発とCT画像への臨床応用を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成29年度は、3次元のストレイン解析法の妥当性の検証に取り組む予定であった。 MRIによる3次元のストレイン解析手法は概ね確立され、国内外の学会で成果を発表することができた。また、それらの成果は学術論文として投稿し現在査読中である。また、CTについてもすでにオフラインコンピュータ上でのアルゴリズムは完成しており、症例数が確保でき次第、臨床的な有用性について検証する予定である。 以上の成果より、本研究は概ね順調に進行していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は平成30年度から31年度にかけて、3次元の心臓ストレイン解析法による修正大血管転位の診断と予後の予測に取り組む予定である。 対象となる修正大血管転位症例を引き続き収集し、心臓の収縮および拡張機能、同期不全などを、MRI、CTによる3次元のストレイン解析を用いて定量的に評価する予定である。また、研究用にレンタルした心臓画像処理装置(ワークステーションコンピュータ)も用いて、企業との連携も測りながら研究を推進する予定である。
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Causes of Carryover |
MRIにおける妥当性の検証が計画以上に順調に進行し、論文投稿に結びついたため、英文校正の費用や学会出席費用が計画より安くなったためと考える。次年度はCTによるストレイン解析を、研究用のワークステーションをレンタルして、企業と連携して進める予定であり、差額はそのレンタル料に充てる予定である。
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