2018 Fiscal Year Research-status Report
3次元の心臓ストレイン解析法の開発と修正大血管転位の予後予測への応用
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16K19860
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
河窪 正照 九州大学, 医学研究院, 助教 (80608985)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | Cardiovascular imaging / Myocardial strain / Left ventricular / Right ventricular |
Outline of Annual Research Achievements |
析によるAUC: 0.97 vs. 0.85、感度: 88 % vs. 77%、特異度:100 % vs. 85 %)。さらに2018年度平成30年度は、3次元のストレイン解析法の臨床応用と、開発技術の製品化に向けた企業とのマッチングに取り組んだ。 平成28年度に出願した3次元のストレイン解析技術の概要を11月に九州大学新技術説明会にて発表した。開発技術に興味を示した企業とミーティングの機会を持ち、製品化に向けた今後の戦略について協議した。また、前年度に専門誌に投稿していた論文がCardiovascular Imaging Asiaに受理され掲載された。この論文では、本研究で取り組んだ2次元の心臓の画像を画像処理によって3次元データに拡張し、得られた3次元画像を用いて3次元のストレイン解析を臨床応用した結果を報告した。解析が比較的容易な左心室を対象とし、心筋梗塞後の左室駆出率の低下の検出能力を、開発手法と従来の2次元のストレイン解析の間で比較した。その結果、3次元のストレイン解析が2次元のストレイン解析の方が有意に左室機能の低下を検出できることができた(ROC解析によるAUC: 0.97 vs. 0.85)。さらに2018年度中に、左心室に比べて形態と動きが複雑な右心室に対して3次元のストレイン解析を適応し、肺高血圧治療の効果を正確に反映するバイオマーカとしての有用性についての論文を投稿し、この内容はEuropean Radiology (IF = 4.014)に受理された。 現在は、修正大血管転位における体循環右室に長期的な負荷によって発達する乳頭筋量と、ストレイン値との関連を検討し、専門誌に投稿中である(Major Revision)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度は、3次元のストレイン解析法の臨床的有用性を検討する予定であった。 医用画像を用いた3次元のストレイン解析手法は確立され、製品化に向けた展望を新たに開くことができた。また、開発手法を用いた臨床研究の成果は2編の学術論文として掲載され、関連する別の1編の論文も、現在は査読者のコメントに対して修正中である。 以上の成果より、本研究は概ね順調に進行していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となる本年度は、これまでの技術開発ならびに臨床研究の成果をまとめ、修正大血管転位に対する、有用な画像診断指標の創出に取り組む予定である。さらに、本研究で出願した特許技術の臨床への広い応用を目指し、企業との連携体制について模索する。
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