2017 Fiscal Year Research-status Report
PETを教師としたMR磁化率強調像の機械学習による脳循環代謝異常の検出
Project/Area Number |
16K19869
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Research Institution | 秋田県立脳血管研究センター(研究部門) |
Principal Investigator |
松原 佳亮 秋田県立脳血管研究センター(研究部門), その他部局等, 研究員 (40588430)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | PET / 磁化率強調像 / 脳循環代謝 / 脳卒中 / 機械学習 / 深層学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
磁気共鳴画像法(MRI)により得られる磁化率強調像(SWI)は脳循環代謝の異常に伴う静脈血中の脱酸素化ヘモグロビンの増加を静脈増強所見として画像上で捉えることができるが,SWI上の所見の僅かな変化を捉えるには経験を要し,観察者間でも不一致が生じるという問題がある.一方でデータに隠れたパターンや表現,判断基準をコンピュータに学習させ,問題解決能力を獲得させる機械学習が近年発達してきている.本研究では脳循環代謝測定のゴールド・スタンダードとなっている酸素15 PET検査画像を教師としたSWIの機械学習により,脳循環代謝異常の検出を試み,その精度及び有用性を明らかにする.そして,本手法による脳循環代謝異常の診断支援システムを確立させることを目的としている. 本研究では前年度までに学習に最適な特徴量のスクリーニングを行ってきた.本年度は酸素摂取率(OEF)の亢進を直接学習させるアーキテクチャの構築を試みた.具体的には8層の畳み込み層を含むconvolutional neural network (CNN)でSWIの患側断片を学習し,OEFの患側健側比が1.05以上か否かを判別する分類器の作成を試みた.その結果,正答率91.0%,感度95.8%,特異度97.8%でOEF亢進を判別できる分類器の作成に成功した.判別の根拠を明らかにするため,SWI画像上で判別への影響が大きい箇所をgrad-CAM法で可視化したところ,増強した静脈の周辺組織が判別への影響が強いという結果が得られた.これは組織中の毛細血管におけるデオキシ化をCNNが認識しているものと考えられる.本結果については学会及び研究会にて発表した.近々論文に纏める予定である.今後はOEF亢進の有無だけではなく,OEFの値,またはOEF画像そのものの学習を試みる予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究ではOEF亢進を予測する分類器の作成を2年目までに目標としていた.本年度の研究で約9割の精度で判別できる分類器の作成に成功しており,2年目までの目標は達成できたといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
OEF亢進の有無について予測に成功したが, OEF亢進の有無だけではなく,OEFの値やOEF定量画像そのものを予測してほしいとの要望があり,今後は値や画像での予測に取り組む予定である.具体的にはCNNによる回帰やgenerative adversarial network (GAN)を用いた画像生成を試みる予定である.
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Causes of Carryover |
参加して発表することを検討していた学会への参加について、進捗遅れにより演題の登録及び参加を断念したため,次年度使用額が生じた.本件については,次年度における発表を予定している.
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