2016 Fiscal Year Research-status Report
深層学習を用いたCT肺癌検診のためのソフトウェア開発
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16K19883
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西尾 瑞穂 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (50581998)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 肺癌 / コンピューター支援診断 / 深層学習 / 機械学習 / 肺気腫 / ホモロジー |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は肺結節のコンピューター支援診断ソフトウェアの開発として、テクスチャー解析と機械学習を用いた既存の手法で検討を行った。LUNGx Challengeの73肺結節のCT画像での検討では、新規に開発された方法におけるROC解析のAUCが0.81となり、良い結果が得られた。この結果が英文論文誌に採択され、さらにこの論文が英語のニュースとして取り上げられた。 深層学習については、CT肺癌検診で用いられる低線量CTのノイズ低減について検討を行った。ファントムを用いて超低線量CTと通常線量CTの学習データを作成し、このデータでノイズ低減のための深層学習を適応した。この学習結果を用いることで既存のデノイズフィルターよりも深層学習の方が超低線量CTのノイズ低減が得られることが分かった。ファントム実験ではあるが、放射線科医・放射線技師の目視による評価では、深層学習によるノイズ低減がCT画質の向上につながるという結果となった。この結果からは、実際のCT肺癌検診の画像への適応が可能ではないかと考えられた。これについては論文を投稿中である。 検診における肺癌リスクの評価を行うために、肺気腫のCT画像の定量評価をホモロジーを使って行った。数百症例の肺癌・非肺癌の単純CTを用いて既存のLAA%とホモロジーの両者で肺気腫の定量評価を行ったところ、後者の方が肺癌リスク評価について有意に高い診断能が得られた。この結果は、国際学会で発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要にあるように良い実験結果が得られており、比較的順調な進捗となっている。ただし、肺結節のコンピューター支援診断ソフトウェアに深層学習を適応するという意味では十分とは言えない結果となったため、来年度はその点を改善する予定である。なお、肺結節のコンピューター支援診断ソフトウェアに深層学習を適応するという意味においては、肺結節のデータ数が不十分だった点が研究の進捗が芳しくなかった原因としてあげられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度末からは、研究代表者所属大学にライセンスされているCT画像の肺結節データベースを用いた検討を始めており、これと深層学習を利用することで、新しい肺結節のコンピューター支援診断ソフトウェアを開発することを検討している。上記のLUNGxは百に満たない数の肺結節数であったが、このデータベースには多数の肺結節が含まれており、深層学習の性能改善が期待できる。
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Causes of Carryover |
異動などの影響で予定していた国際学会出張が出来なかったため。また、設備備品の支出が予想よりも低かったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成29年度は、国際学会出張および論文掲載料で支出する予定である。
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Research Products
(1 results)