2016 Fiscal Year Research-status Report
日本人の乳癌薬物治療における内臓型肥満とインスリン耐性、慢性炎症の影響
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16K19887
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
岩瀬 俊明 千葉大学, 大学院医学研究院, 特任助教 (90738254)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 乳癌 / 肥満 / インスリン抵抗性 / 慢性炎症 / 内臓脂肪 |
Outline of Annual Research Achievements |
はじめに3次元画像解析ソフトを用いてBody composition(身体構成)の評価を実施した。術前化学療法を受けた271例の乳癌患者における解析の結果、内臓脂肪総量(total visceral fat, tVAT)は有意にBMI(Body Mass Index)と相関していた(P <0.05)。また多変量解析にて検討した結果、病理学的完全奏功(pathological complete response, pCR)とtVATに有意な関連は認めなかった(P = 0.60)。その一方でtVATが多い群は有意に遠隔転移再発期間が短縮しており(P <0.05)、多変量解析においてもtVATは独立した予後因子であった(P <0.05)。これらの研究成果は、ASCO 2017にて発表する予定である。次に、背景因子を用いてpair-matchさせた早期乳癌患者106例に対して、ELIZAによるInsulin-like growth factor(IGF) familyと炎症と肥満との関係を検討した。ELIZAによるIGF-1, IGFBP3 等のIGF family の定量化とInsulinとfasting glucoseを用いたHOMA-Rの計算を行った結果、WHO分類のnormal群(53例)とoverweight/obese群(53例)との比較において、IGF-1とIGFBP3は各群間で有意差は認めなかった(P = 0.31, 0.77)。その一方で、overweight/obese群はnormal群と比較して有意にHOMA-Rが高かった(P<0.05)。同様に、IL-6, CRPを含む炎症性サイトカインの定量を施行した結果、有意差は認めなかったが(P = 0.50, P = 0.38)、overweight/obese群はnormal群と比較して両者ともに高い傾向にあった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定した初年度の研究計画に沿って研究を施行する事が出来ているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は次年度の計画に従い、免疫染色を中心に病理学的に局所での炎症とIGF Familyの発現を確認し、初年度の研究で得られた新たな知見の裏付けを行う予定である。
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Research Products
(2 results)