2016 Fiscal Year Research-status Report
膵癌新規予後規定因子SLP-2の機能解析-抗癌剤感受性予測因子としての検証-
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16K19911
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
有明 恭平 東北大学, 大学病院, 助教 (10754921)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | SLP-2 / 膵癌 / 予後因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は膵癌の新規予後規定因子であるStomatin like protein 2(SLP-2)の機能を明らかにすることにある.SLP-2は多くの癌腫において,発現が予後を悪化させていると報告されているものの,悪性化をきたすメカニズムについては解明されていない.ミトコンドリアに発現が多く,膜電位の安定化に関与していること,発現を抑制することでアポトーシスが誘導されることなどが近年明らかになりつつあるも膵癌における報告はない.本研究ではSLP-2とミトコンドリア由来のアポトーシスについての機能解析を行うことで,抗癌剤感受性への関与を証明し,感受性予測因子としての可能性について検証することにある.
上記目的達成のために初年度は以下の研究成果を上げた. 1)膵癌細胞株を用いたSLP-2安定発現抑制株の作成 SLP-2のsiRNAの配列をデザインしたのちRT-PCR法にて発現量を評価.90%以上のknock downが得られる配列を決定し,これをもとにshRNAを作成した.shRNAの配列を導入し,安定発現抑制株の作成が可能となるプラスミドを作成.これを膵癌細胞株に導入し,G418選択培地により安定発現抑制株及びコントロールとなる安定発現株の作成を行った.結果としてshRNA3種類を用いて,4種類の膵癌細胞株において安定発現株の作成に成功した.今後この細胞株を持ちいて,種々の抗癌剤に対する感受性を評価していく予定である. 2)SLP-2の発現が膵癌における予後及び転移形成能や抗癌剤感受性に及ぼす影響を評価すべく,膵癌切除標本300例を用いて免疫染色法を施行.免疫染色はすでに完了しており,現在その評価を行っているところである.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は膵癌細胞株を用いた基礎的研究,動物を用いた生体内での評価および,膵癌臨床検体を用いた研究の3本柱を平行して行い,SLP-2の発現が感受性予測因子になりうることを証明することにある. 基礎的研究を行う上で必要な細胞株を初年度に作成することができたことから,今後この細胞株を用いた機能解析を行うことが可能である.また安定発現抑制株は動物を用いた生体内での評価にも使用が可能であることから,以後の研究がスムーズに遂行されるものと予想される. 臨床検体を用いた研究については,免疫染色はすでに終了しており,今後は解析を行うのみであることから,こちらも順調に遂行しているものと考える.
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に作成した安定発現抑制株を用いて,機能解析を行う.SLP-2の発現が細胞の増殖能,抗癌剤投与後のviabilityやアポトーシスへの影響について,ミトコンドリアの機能解析を行うとともに明らかにしていく予定である. また本細胞株を用いて,マウスxenograft modelを作成し,形成された腫瘍に対し抗癌剤を投与することで腫瘍の縮小能やその後の生存期間への影響について検討する. 臨床検体を用いた検討では,発現量と予後との感染性を評価するとともに,SLP-2の発現と抗癌剤投与後の効果についての関連性についても併せて検討していく.
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[Journal Article] Locally advanced pancreatic cancer successfully treated by distal pancreatectomy with celiac axis resection (DP-CAR) after S-1 with radiation therapy followed by gemcitabine/nab-paclitaxel therapy: a case report2017
Author(s)
kyohei ariake, Fuyuhiko Motoi, Masamichi Mizuma, Keigo Murakami, Tatsuyuki Takadate, Hiedeo Ohtsuka, Koji Fukase, Kunihiro Masuda, Hiroki Hayashi, Kei Nakagawa, Naoaki Sakata, Takanori Morikawa, Shimpei Maeda, Takeshi Naitoh, Shinichi Egawa, Michiaki Unno
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Journal Title
Surgical Case Report
Volume: なし
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Predictive risk factors of peritoneal recurrence after surgical resection for pancreatic cancer: considering the method to prevent this dismal type of recurrence2017
Author(s)
Kyohei Ariake,Fuyuhiko Motoi, Hideo Ohtsuka, Koji Fukase, Kunihiro Masuda, Masamichi Mizuma, Hiroki Hayashi, Kei Nakagawa, Takanori Morikawa, Shimpei Maeda, Tatsuyuki Takadate, Takeshi Naitoh, Shinishi Egawa, Michiaki Unno
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Journal Title
Surgery Today
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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