2016 Fiscal Year Research-status Report
細胞外マトリックスに着目した膵切除後NASH発生機序に関する分子基盤的研究
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16K19917
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
加藤 宏之 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (50737004)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 脂肪肝 |
Outline of Annual Research Achievements |
PD後NASHと続発する肝不全の発症にMMP-9やPECAM-1などの細胞外マトリックス蛋白が密接に関係しているのではないかと仮説をたてマウスもしくはラットのPDモデルを作成し、術後24h、48hに肝臓を採取しH&E染色、Ly6G染色(好中球染色)PECAM-1染色 (類洞内皮染色)を用いて病理学的な評価をおこなっている。正常肝組織では肝実質に好中球浸潤は見られず、類洞内皮からのPECAM-1 発現は保たれてることがわかった。また、しかしPD後には原因不明の肝障害が起こることがわかった。PD後傷害肝では肝実質に著明な好中球浸潤と類洞内皮傷害によるPECAM-1の発現低下が認められた。 したがって我々が作成した実験モデルに認められる肝傷害はPD後患者に発生する肝障害、肝不全に類似した病態をマウスで再現できている可能性が示唆された。しかしながらまだ傷害肝に著明な脂肪沈着を確認することができないため、今後、どのような過程でPD後に脂肪肝を発生するのかを研究するのが今後の課題である。 また既存の標本でMMP-9やMM-2、Tenescin-Cなども含めた細胞外マトリックスを含めた免疫染色を施行している。さらにPD後のNAFLDの発生機序と類似していると考えられるMCDダイエットマウスモデルを用いたアッセイも行う予定もあり計画をすすめている。 今後は脂肪染色や手術前後で脂肪量の増減についてを研究する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
順調に進行しているものの、ラット、マウスも術後急激な食欲低下を来し現状で3日以上の長期生存を得ることがやや困難である。ラット、マウスではlife spanが違うため脂肪肝の早期の検索が必要かもしれない。
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Strategy for Future Research Activity |
今後なんとかラットもしくはマウスで長期生存得て以下のアッセイを行う。 肝組織-マクロファージ活性化の指標としてTNF-α IL-1β リンパ球の活性化としてIL-2 IFN-gamma,IL-4,IL-10 好中球活性化因子-IL-8 アディポカイン-adiponectin をリアルタイムPCRにて測定炎、肝組織-TNF-alpha IL-1betaなどのELISA マクロファージ (CD11b)、リンパ球 (CD4)、好中球 (Ly6G)の免疫染色、肝組織-PECAM-1、ICAM-1、ICAM-2、VCAM、eNOSの免疫染色およびWestern blot、MMP-9、MMP-2、MMP-14、TenascinCなどの免疫染色およびWestern blot, ELISA
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