2016 Fiscal Year Annual Research Report
食道扁平上皮癌に対する変異p53機能回復薬の治療効果およびメカニズムの検討
Project/Area Number |
16K19923
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
古川 陽菜 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (20768957)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 食道扁平上皮癌 / p53 / 変異p53機能回復薬 / アポトーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
食道扁平上皮癌では癌抑制遺伝子p53の変異頻度が極めて高く,p53変異の有無は腫瘍の悪性度および予後不良因子と言われている.今回,変異p53の機能回復により腫瘍増殖を抑制する変異p53機能回復薬に着目し,食道扁平上皮癌に対する有効性およびメカニズムについて検証した.食道扁平上皮癌細胞株パネル11株におけるp53の変異statusをsanger sequence法にて同定し,p53機能回復薬PRIMA-1単独投与において細胞増殖解析(MTT assay),Apoptosis assayを行い抗腫瘍効果について検討した.PRIMA-1投与で,p53 missence変異株において抗腫瘍効果を示し,Apoptosisが誘導された.またmRNAレベルでp53下流遺伝子の転写活性化を認め,蛋白レベルでNOXAの発現が上昇し,NOXAを介したApoptosis誘導が示唆された.NOXAのノックダウン実験から,PRIMA-1は主にNOXAを介したApoptosisを誘導することを明らかにした.一方,p53野生株およびp53 nonsense, frameshift株では,Apoptosisは誘導されず抗腫瘍効果も乏しく,PRIMA-1の治療効果は認められなかった.食道扁平上皮癌missense変異細胞株のXenograft mouseにおいて,control群と比較してPRIMA-1投与群で有意な腫瘍増殖抑制が認められ,p53下流遺伝子の発現においてもin vitroを反映した結果を得られた. 研究者の異動に伴い本研究は終了となる。
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