2017 Fiscal Year Annual Research Report
Combination immunotherapy targeting for chemoresistnat cancer stem cells with PD-L1 expression
Project/Area Number |
16K19927
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
浦川 真哉 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (40768975)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 食道癌 / PD-L1 / PD-1 / 癌幹細胞 / 抗腫瘍免疫回避機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
【化学療法による食道癌幹細胞割合および腫瘍PD-L1発現の変化】食道癌251例の切除検体の腫瘍細胞・免疫細胞のPD-L1発現を免疫染色(IHC)で評価した結果、PD-L1発現度と術前治療の有無や組織学的治療効果に関連性を認なかった。一方で、PD-L1高発現群は予後不良であった。今後、治療前生検組織のIHCを行い、治療後にPD-L1発現癌幹細胞が残存するという当初の仮説を検証する。 【化学療法による免疫関連分子と化学療法効果との相関】食道癌DCF化学療法施行症例35例で、治療前生検組織および切除検体から免疫細胞を抽出し、CD4、CD8、PD-1、CD25を含む様々な免疫関連分子をFACS解析した。結果、治療効果とCD8陽性細胞や制御性T細胞(Treg)とに関連性は認めず、一方でCD8上のPD-1発現頻度が高いものほど治療抵抗性であった。また非奏功群ではPD-1発現が上昇する症例を認めた。この結果は、PD-L1/PD-1経路による免疫回避機構が治療抵抗性に関わることを示唆する。末梢血(1症例につき5タイムポイント)に関しても、cytobancを用いて奏功群・非奏功群の相違を網羅的に解析中である。 【食道癌幹細胞、非幹細胞と健常者由来末梢血単核細胞(PBMC)との共培養】食道癌生検組織より初代培養を行い、末梢血免疫細胞と共培養し、まず免疫細胞の表現型変化を解析した。しかし、ヒト組織で構築した免疫プロファイリングとは異なる表現型を示した。この結果は、既存の共培養assay系では免疫細胞を含めたがん微小環境を再現出来ていないことを意味し、新規assay系の確立が必要不可欠であった。これまでに構築した免疫プロファイリングがその一助になると考える。 <抗PD-L1抗体投与による癌幹細胞の変化>、<抗癌剤と抗PD-L1抗体併用による癌幹細胞に対する治療効果の相違>については現在進行中である。
|
Research Products
(2 results)