2017 Fiscal Year Research-status Report
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16K19933
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
西野 豪志 徳島大学, 病院, 特任助教 (80645193)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 食道幹細胞 / 食道再生 / iPS細胞 / 遺伝子解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、食道疾患に対する食道再建手術において、正常臓器を犠牲にした再建ではなく、再生医療の手法を用いて食道を再生・再建することを最終目標として掲げた。細胞ソースとして、局所幹細胞である食道幹細胞を、「足場」として、脱細胞化した食道を用いることで、食道全層の再生を目指している。平成29年は、マウス食道から食道幹細胞を単離、同定する手技を確立した。Maghsoudlouらの方法(Pediatr Surg Int 2014)に準じて、摘出したマウス食道を、Dispase I、0.05% trypsin/EDTAで処理し、40μmのフィルターを通した後、遠心分離し、K-SFM+ mediumと懸濁する。FACSの手法を用いてCD34抗体陽性細胞をソーティングし、これを食道幹細胞とした。食道再生の足場として、食道の脱細胞化の手技の確立を行った。Sjoqvistらの方法(Nat Commun 2014)に準じてGFPラットを用いた。摘出したラット食道を脱イオン水に20分間浸し、浸透圧刺激で細胞膜を破壊する。その後、界面活性剤による細胞の洗い流しを2時間行う。DNaseIを用いて3時間かけてDNAを破壊する。このプロトコールは組織が完全に脱細胞され、透明になるまで繰り返した。洗浄の後、4% PBS+1% AAで保存する。適切に脱細胞化できたかどうかを、Elastin、 collagenI/II、VEGF、 Fibronectinの染色で評価する予定であり、脱細胞と染色の工程の手技を繰り返し行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウス食道から単離した食道幹細胞を培養・継代することを続けているが、動物実験に費やすまとまった時間が取れず、食道の脱細胞化の適切な手技の確認作業に手間取っている。いまだ完全な脱細胞食道が得られておらず、免疫染色による脱細胞化の確認作業に移れていない。まとまった時間をとって次の段階に進みたい。
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Strategy for Future Research Activity |
食道の脱細胞化の手技について、過去の報告されているプロトコールを改良し、手技の確立を目指す。臓器の脱細胞化の経験のある研究者にアドバイスをもらう。動物実験に費やすまとまった時間を確保し、実験を行う人手を確保する。
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Causes of Carryover |
実験工程が進めば、実験動物の追加購入、免疫染色の抗体や薬液の購入を予定しているが、手技の習得、実践にかなりの時間を要し、予定が遅れている。類似した研究を行っている施設への見学、学会への参加などの交通費、実験動物の追加購入、免疫染色の抗体や薬液の購入、実験要因の雇用などに使用を予定している。
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