2018 Fiscal Year Annual Research Report
Esophagus tissue engineering with esophageal tissue stem cell.
Project/Area Number |
16K19933
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
西野 豪志 徳島大学, 病院, 助教 (80645193)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 食道幹細胞 / 食道再生 / iPS細胞 / 遺伝子解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、食道疾患に対する食道再建術において、再生医療の手法を用いて食道を再生・再建することを最終目標として掲げ、細胞ソースとして、食道幹細胞を、「足場」として、脱細胞化食道を用いることで、食道全層の再生を目指した。平成29年は、マウス食道から食道幹細胞を単離、同定する手技を確立した。Maghsoudlouらの方法に準じて、摘出したマウス食道を、 Dispase I、0.05% trypsin/EDTAで処理し40μmでフィルタリングの後、遠心分離し、K-SFM+ mediumと懸濁する。FACSを用いてCD34抗体陽性細胞をソーティングし、食道幹細胞とした。単離した細胞をコラーゲン培地上で培養すると重層扁平上皮を形成することを確認した。食道再生の足場として、ラット食道の脱細胞化の手技を確立した。Sjoqvistらの方法に準じて、摘出したラット食道を脱イオン水に20分間浸し、浸透圧刺激で細胞膜を破壊する。その後、界面活性剤による細胞の洗い流しを2時間行う。 DNaseIを用いて3時間かけてDNAを破壊させた。このプロトコールは組織が完全に脱細胞され、透明になるまで繰り返した。Elastin、 collagenI/II、VEGF、 Fibronectinの染色を行い、完全に脱細胞化されたことを確認することができた。平成30年は、脱細胞化したラット食道に単離したマウス食道幹細胞を播種し3週間培養した.顕微鏡下に食道内に扁平上皮様細胞層が形成されていることをH-E染色にて確認することができた。前述のように作成した食道をマウスの皮下に移植した。結果としては、多くのケースで移植した食道の虚脱に伴い紐状の線維組織に置換されてしまったが、一部において重層扁平上皮細胞層を思わせる構造を確認することができた。一方でそれに伴った筋層や間質を再現するまでには至らなかった。
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