2018 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of novel molecular targeted therapeutics based on epigenetics in colorectal cancer.
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16K19943
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
徳永 竜馬 熊本大学, 医学部附属病院, 非常勤診療医師 (20594881)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | JMJD3 / 大腸癌 / マイクロRNA / 細胞周期 / 血管新生 / 上皮間葉転換 / 化学療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
Jumonji-domain containing 3 (JMJD3) はEnhancer of Zeste Homolog 2(EZH2)が特異的にメチル化するヒストン3リジン27(H3K27)の脱メチル化酵素であり、p16INK4aを再活性化させることでがん細胞の増殖を抑制することが報告されている。我々は、JMJD3が大腸癌患者において正常部で高発現であり、その大腸癌局所での低発現は予後不良因子であること、および癌抑制遺伝子p15INK4bを制御し大腸癌進展を抑制するメカニズムを初めて明らかにした。また、マイクロRNAアレイの結果から2種類のmiRを検出し、in vitroにてJMJD3を抑制するmiRとしてmiR186-5pを同定した。大腸癌細胞株においてmiR186-5pを強制発現させたところ、JMJD3の発現およびCDH1、VASH1、TFAP2Eといった大腸癌における重要な遺伝子の発現抑制を確認できた。過剰発現を行い、controlと比較することで現象の変化 (MTT assayにて増殖能、PI染色・AnnexinⅤ染色・FACS解析にて細胞周期、等)に及ぼす影響を確認したところ、miR186-5pは大腸癌細胞のアポトーシスを抑制し、細胞周期をすすめ、増殖能を上げることがわかった。また、public databaseを用いてmiR186-5pとJMJD3の発現量の関連を確認したところ、逆相関するという結果であった。そのため、さらに当科保有の臨床サンプルを用いてmiR186-5pの発現量と予後や臨床病理学的因子との関連を検索したが、仮説と異なり、miR186-5pの発現量は予後や腫瘍進行度と有意な相関関係は認めなかった。以上より研究は比較的順調に進行していたが、in vitroのデータと臨床サンプルを用いた結果の理論的整合性を認めなかった。
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