2017 Fiscal Year Research-status Report
膵臓癌細胞由来オルガノイドモデルを用いた放射線化学療法耐性の機序解明
Project/Area Number |
16K19945
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
川崎 洋太 鹿児島大学, 附属病院, 医員 (90770420)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 膵臓癌 / 化学療法放射線感受性 / 抗酸化能力 / オルガノイドモデル / 食道癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
特定の器官の細胞を三次元的に培養した立体組織であるオルガノイドの作成が多く報告されているが、膵臓癌の検体採取は比較的難しい。そのため、まずは検体採取が比較的安易な食道扁平上皮癌 (ESCC) にてオル ガノイド培養が可能かを検討し、培養手技を確立することとした.方法としては、未治療の進行食道扁平上皮癌患者において内視鏡下に腫瘍部より組織を採取し,酵素処理などにて腫瘍を細断化する.マトリゲルと包埋し 24well プレートを使用,EGF, Noggin, R-spondin など各種増殖因子を入れた培養液とともに培養する.10-12日 後にできたオルガノイドの個数,形態,大きさを顕微鏡下にて評価し,さらに免疫染色による増殖能の評価を行った.その結果、9 例中 6 例 (67%) にて ESCC からオルガノイドを形成することができた.HE 染色にてオルガノイドを形態学的に分類し比較検討すると,低分化の SCC に類似したオルガノイドでは免疫染色にて高い増殖能を示した.また,ESCC の細胞株でも同様の実験を行うと,低分化の SCC に類似した構造のオルガノイドを形成した.これらの結果から、ESCC からのオルガノイド培養は短期間にて培養可能であり,またより生体内に近い環境にて培養できるとされている.今後オルガノイドの研究が進むことで,薬剤感受性試験を含めた個別化治療へつながっていく可能性が期待される.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでの結果で、食道癌生検組織からのオルガノイド培養は高い確率でかのうであることがわかった。しかしながら膵臓癌検体採取は、技術的な問題が大きく関与し安易でないため研究に遅れが生じている
|
Strategy for Future Research Activity |
まずは、検体採取が安易である上部消化管関連悪性腫瘍(特に食道癌)でのオルガノイド培養をすすめ、検体数を増やすことで培養細胞の特徴を更に解析していく
|