2017 Fiscal Year Annual Research Report
The effect of erythrocyte-derived microvesicles on the malignant potential of gastric cancer
Project/Area Number |
16K19948
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
有田 智洋 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00756794)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | エクソソーム / 赤血球 / 消化器癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
担癌患者(胃癌、大腸癌)及び健常者の末梢血液から得られた赤血球を培養液に混和して24時間incubationを行ったのちに得られた培養上清を回収し、超遠心法にて上清中に含まれる血球由来exosome(EDM:erythrocyte-derived microvesicles)を抽出した。このEDMをPKH67でラベリングし各細胞株(胃癌;MKN74、大腸癌;HT29、正常中皮細胞;MeT-5A)の培養液に添加、蛍光免疫染色法にて各細胞株に取り込まれる様子を確認した。EDMを各細胞株の培養液に添加すると、wound healing assayにおける創傷治癒能、migration assayにおける遊走能、adhesion assayにおける中皮細胞との接着能を亢進させた一方で、浸潤能は変化を認めなかった。この結果より、「EDMは癌細胞に取り込まれることで、悪性形質を変化させている可能性がある」と考え、癌患者由来EDMを取り込ませた胃癌細胞株、健常者由来EDMを取り込ませた胃癌細胞株、未処理の胃癌細胞株からRNAを抽出し、マイクロアレイ解析(アジレント社)を行った。癌患者由来EDMの取り込みで発現が亢進した候補分子について、他の癌患者由来EDMでvalidation studyを行い、同様の変化を認めたRPS15A, EIF1の2分子に注目した。これらはすでに他癌種でearly translationや血管新生への関与(RPS15A)やAgo2やmiR-451のbiogenesisに関与(EIF1)することが報告されている。これらの変化に、赤血球中に大量に含まれるmiRNAが関与しているとの仮説を立て、EDMから抽出したRNAを用いたmicroarray解析(東レ社、3Dgene)を行い、2つのarray結果からEDMによる分子変化のメカニズムについて検討を行っている。
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Research Products
(4 results)