2016 Fiscal Year Research-status Report
冠動脈血流解析に基づいた最適な大動脈弁位生体弁の形状評価
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16K19970
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
湯崎 充 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (80405448)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 大動脈弁置換術 / 冠動脈血流 / MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
大動脈弁置換術後の冠動脈血流評価を、当初は経食道エコーを用いて大動脈基部から冠動脈口への血流のベクトルを評価し、造影CTから構築した大動脈基部シミュレーションモデルに合わせることで3次元的に血流を捉えることを目標とした。しかし、術後経食道エコーが侵襲的であること、CTでは時間軸を捉えた評価が困難なことからMRIを用いた血流評価を模索することとした。具体的には位相コントラスト法を用いた4D flow MRIを利用することで、大動脈基部と冠動脈口への血流流入パターンを可視化することで、冠動脈血流評価を行うこととした。同時に、左冠動脈主幹部での血流パターンを時間と血流量で評価することも考えた。現段階では、基部を撮影する条件について検討し、一定の撮影条件を作成した。大動脈弁置換術後の人工弁近傍の像と、細い冠動脈の血流評価をMRIで撮影できるかも問題であったため、実際に術後遠隔機の人工弁置換術後患者の人工弁機能評価をMRIで行い、特に、左主幹部の血流が測定できることを確認した。造影剤等を使用することなく撮影可能で、非侵襲的であることもあわせて確認できた。今後の検討のためには、術前後、人工弁種による違いを検討していくことが目的であるため、現在は術前の検討会や術者の判断で決めている使用する人工弁種を無作為に割り付ける必要がある。そのためのプロトコールの作成と、院内倫理委員会への提出書類を整備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は経食道エコーと、造影CTで評価することを考えたが、MRIを用いた方がより非侵襲的で動的な評価が可能であると判断した。そのためには、撮影条件の確認等の作業が必要であったため進捗が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
大動脈弁置換術予定患者を、ウシ心膜弁とブタ大動脈弁の2群に無作為割付し、術前後でMRIを撮影する。評価項目は、左冠動脈主幹部への血液流入パターンを、ベクトル、エネルギー損失、血流量とする。各々10例を目標とする。
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Causes of Carryover |
評価法の変更のため、当該年度はプロトコールの作成に費やした。具体的な撮影、評価は次年度以降となるため、当該助成金が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
MRIの血流解析にはスーパーコンピューターが必要であり、そのための解析依頼費用にあてていく予定である。
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