2017 Fiscal Year Research-status Report
Spred2が肺移植の虚血再灌流障害に与える影響についての検討
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16K19980
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大谷 真二 岡山大学, 大学病院, 助教 (10770779)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 肺移植 / マウス / 虚血再灌流障害 / SPRED2 / MAPK |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はマウス肺移植モデルで,移植後の虚血再灌流障害・急性拒絶反応に伴うメカニズムの解明を目的とする.特に移植肺の急性期虚血再灌流障害に影響すると予想されるMitogen-activated protein kinases(MAPK)系のシグナル伝達に着目し,MAPKを抑制するSprouty-related EVH1-domain-containing protein(SPRED2)のノックアウトマウスをドナー/レシピエントそれぞれで用いた実験系において移植肺の急性虚血再灌流傷害の影響を調べる、 課題であったマウスの肺移植手技の確立は達成され、今年度は野生型マウスから野生型マウスへの肺移植、野生型マウスからSPRED2ノックアウトマウスへの肺移植を検討した。好中球の十分な浸潤を期待し虚血時間を24時間で設定したが、MAPK経路の賦活化時間を考慮して再灌流を4時間に設定し直し実験を行った。解析にはHE染色標本、免疫染色標本、Real-Time PCRを用いたカスケードの産物の定量、フローサイトメトリーによる浸潤細胞の同定を行った。現在N=5ずつの評価で、組織学的評価、フローサイトメトリーではノックアウトマウス群の好中球を含む炎症細胞の有意な浸潤を認め、サイトカインの定量でもノックアウト群はCCL2、CXCL2、IL1β、TNFαの有意な増加を認めた。ウェスタンブロッティングでもpERKの有意な増加を認め、SPRED2がMAPK/ERK経路に何らかの形で抑制をかけていると考えられる。 今後はSPRED2ノックアウトマウスから野生型マウスへの肺移植、SPRED2ノックアウトマウスからSPRED2ノックアウトマウスへの肺移植をさらに追加検討していきたい所存ではあるが、ノックアウトマウスの繁殖に難あり、ここまでの結果を報告するにとどまる可能性もある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SPRED2-/-マウスとWildマウスに対するsyngeneic lung transplant のischemic reperfusion injuryの比較検討は、組織所見、FACS、サイトカインのmRNA定量において有意にSPRED-/-マウスが障害を受けていることが示された。
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Strategy for Future Research Activity |
今後凍結標本のERK定量を行い、結論付ける予定としている。また,現在,論文作成中である.
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