2018 Fiscal Year Annual Research Report
SPRED-2 is necessary to protect against lung graft injury after mouse lung transplantation
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16K19980
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
大谷 真二 岡山大学, 大学病院, 助教 (10770779)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 肺移植 / SPRED2 / 虚血再灌流障害 / MAPK/ERK経路 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はマウスの肺移植モデルを用いて,移植後の虚血再灌流障害・急性拒絶反応に伴うメカニズムの解明を目的とするものであり、今回のデザインは特に移植肺の急性期虚血再灌流障害に影響すると予想されるMitogen-activated protein kinases(MAPK)系のシグナル伝達に着目し,MAPKを抑制するSprouty-related EVH1-domain-containing protein(SPRED2)のノックアウトマウス(SPRED2-/-)をドナー/レシピエントそれぞれで用いた実験系において移植肺の急性虚血再灌流傷害の影響を調べるものであった。 その結果、2点の有意義な結果と考察を得ることができた。まず1点は、もともとマウスの肺門クランプモデルにおいてSPRED2-/-がWild Typeより増悪する結果を得ていたが、同様の結果を肺移植モデルにおいても得ることができたということである。これによりより実臨床に近いモデルにおいての検討が可能であることと、肺門クランプモデルと異なりドナー、レシピエントに自由にWild TypeとKnock outを適用する汎用性の高いデザイン設定が可能であることが示唆された。2点目にレシピエントだけをSPRED2-/-にした肺移植においても虚血再灌流障害の増悪を認める結果を得たことである。虚血再灌流障害のメカニズムとMAPK経路の活性化速度を考慮するとドナー側の因子が虚血再灌流障害に反映されやすいと考えやすいが、この結果からレシピエントにおけるMAPK経路の活性化も単独因子として肺の虚血再灌流障害に寄与する可能性が示唆された。これにより、レシピエントの炎症の潜在性が肺移植の危険因子となりうる可能性が考慮され、逆にMAPK経路が抑制される前治療が虚血再灌流障害を改善する可能性も考慮された。
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