2018 Fiscal Year Research-status Report
くも膜下出血後早期脳損傷(EBI)における脳微小循環障害に対する治療法の開発
Project/Area Number |
16K19993
|
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
奈良岡 征都 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (10455751)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 脳血管攣縮 / 脳微小循環障害 / 早期脳損傷 |
Outline of Annual Research Achievements |
ラット内頚動脈穿通によるくも膜下出血モデル作成を追加した。SD雄ラット(400-450g)を用いた。当初計画では300-350g ラット使用予定であったが、くも膜下出血モデル生存率の向上のため、400-450gラットへと変更した。具体的には、全身麻酔後に経口挿管し、外頚動脈stumpから3-0ナイロン糸相当のタングステンワイヤーをシースとともに内頚動脈へ挿入、ワイヤーによる内頚動脈分岐部穿通にてくも膜下出血を作成した。この手技に先立って左頭部穿頭を行い、左前頭葉へ脳圧センサー先端を挿入、留置してくも膜下出血作成前から持続的に脳圧をモニタリングしている。昨年度はN=60、本年度はN=40のラットに対して手技を施行、くも膜下出血作成直後の死亡率は約26%であった。くも膜下出血作成後の脳圧更新は40-150mmHgであったが、脳圧が120mmHgを超えたラットは高率に死亡した(人工呼吸器へ接続、全例蘇生処置施行)。Sham群にて穿通後に開頭術を施行、くも膜下出血が良好に作成されていることを確認した。くも膜下出血作成時、特に脳圧亢進が著しいラットにおける死亡率は低減の工夫が今後の課題である。作成したラットくも膜下出血モデルに対して、治療介入群として前年度のシロスタゾール群追加およびベラプロストナトリウム、オザグレルナトリウム群を作成した。しかしながら、ベラプロストナトリウムとオザグレルナトリウム群はそれぞれ n = 8に達しておらず、今後解析のため追加を要する。また、これらの単独治療群の解析の後、当初計画に従って、重複治療群の作成も検討が必要である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ラット穿通SAHモデル作成において、タングステンワイヤーにてくも膜下出血は作成できているものの、頭蓋内圧ICPモニタリングではくも膜下出血作成直後の脳圧にばらつきが大きく、一定条件のくも膜下出血が作成されているとは言い難い。治療介入群における治療効果検討に際してくも膜下出血が一定でなければ、治療対象である脳血管攣縮における脳微小循環障害が担保されないため効果判定が困難である。このため治療介入群作成が遅延し、以降の解析も行われず研究が遅延している状態である。
|
Strategy for Future Research Activity |
くも膜下出血モデル作成における頭蓋内圧ICPを一定とし、速やかに治療群作成を追加する。既に作成した治療群と合わせ、シロスタゾール、ベラプロストナトリウム、オザグレルナトリウム単独群に加えて重複投与群の作成も行う。なお、重複投与群作成においては、研究を短縮化するため、一旦単独群の結果を解析した後に治療効果が認められた薬剤に絞って投与群を作成し、相加相乗効果について検討する予定である。
|
Causes of Carryover |
ラット穿通SAHモデル作成において、タングステンワイヤーにてくも膜下出血は作成できているものの、頭蓋内圧ICPモニタリングではくも膜下出血作成直後の脳圧にばらつきが大きく、一定条件のくも膜下出血が作成されているとは言い難い。この作成方法を修正した後に治療介入群を作成予定であったため、作成に必要なラットや薬剤が未だ購入できておらず、次年度へ持ち越しとなった。
|
Research Products
(2 results)