2016 Fiscal Year Research-status Report
フルマゼニルPET/MRIを用いたくも膜下出血後の高次脳機能障害メカニズムの解明
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16K20000
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
東野 芳史 福井大学, 学術研究院医学系部門, 助教 (80554542)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | くも膜下出血 / 高次脳機能障害 / フルマゼニル / PET/MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年4月1日から12月31日までの9ヶ月間に当科で診療を行った、動脈瘤破裂によるくも膜下出血は20例であった。この患者群に対し、まず高次脳機能の評価を行った。平均年齢は63±17歳、発症時の重症度を表す、WFNS gradeは1:6例、2:2例、3:2例、4:4例、5:6例であった。退院時のmRSが0-2の症例が8例であった。高次脳機能評価としてはMMSE、FAB、SDSを測定した。意思疎通困難などで測定が不可能であった患者を除き、計8例から値を得た。HDS-Rは平均19.4±7.9、FAB:10.8±4.8、SDS:46.6±8.8であった。発症から計測日までの平均は11.9±6.7日であった。もともと発症前に認知機能や高次脳機能障害を合併していた症例はなく、これらの数値の低下はSAHを発症したことによると考えられた。問題点としては発症から評価までの日にちが不揃いであることであった。spasmの問題もあり、画一的な日程の設定は困難であるが、14日目までに評価が出来ることが望ましい。次年度からはPETでベンゾジアゼピン受容体の評価ができるように進める予定である。spasmの影響を評価するために、同時に撮影するMRIでは血流の定量的評価を新しいASL法を用いて行う。このASL法では頸部でシグナルを受けた血液が、脳実質に到達するTransit timeを測定できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
フルマゼニルPET/MRIにおいて、PETと同時に撮影するMRIのシーケンスに、Transit timeを測定し、脳血流も定量的に評価できるenhanced ASLも追加する予定であった。この新しいASLの導入が遅れているため、まだ実際にSAHの症例での同時撮影が出来ていない。
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Strategy for Future Research Activity |
SAHの症例において、高次脳機能評価をできるだけ急性期に行うようにする。 PET/MRIについてはASLの準備ができ次第、医学系研究倫理審査委員会への承認を依頼する予定である。
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Causes of Carryover |
ラットを用いた基礎実験が遅れているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度以降、基礎実験とPET/MRI撮影で使用していく予定である。
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