2017 Fiscal Year Research-status Report
神経膠腫の不均一性に対する画像・病理・遺伝子の統合的解析
Project/Area Number |
16K20006
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
有田 英之 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (60570570)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 神経膠腫 / 遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
成人神経膠腫症例で、同意の下手術により臨床サンプルを得ることができた症例を対象に、腫瘍の遺伝子解析・放射線画像解析・病理学的検討を行った。 遺伝子解析としては、凍結検体抽出DNAを用い、1) IDH1/2, TERTプロモーターをサンガーシークエンスで、2) MLPA(Multiplex Ligation-dependent Probe Amplification)法で1番染色体短腕と19番染色体長腕の欠失の有無に加えCDKN2A・EGFR・PTENなどの主要な遺伝子の増幅・欠失の有無の検索、3)qPCR法やパイロシークエンス法を用いMGMTプロモーターのメチル化の評価を行った。放射線画像については、PET画像やMRI画像を元に信号強度値やその分布、腫瘍形状、部位などを定性的にだけでなく、定量的に解析を行い、100以上の画像情報を抽出した。病理学的には、形態学的に行った診断を元に、遺伝子型の所見を組み合わせで検討した。さらに、Neuro-Navigation systemを用い、腫瘍採取部位のサンプリングが行われた症例で、画像所見と遺伝子・病理対比が可能な形でのデータセットを作成した。放射線画像-病理-遺伝子の情報の連結を行なっており、特に、IDH1/2遺伝子変異の有無は、前頭葉発生の頻度や同じ脳葉内での局在に差があり、腫瘍発生部位と密接な関係があることを見出した。また、各画像のテキスチャ特性や形状特性も遺伝子変異と一定の関係があることが明らかとなった。これらより、放射線画像は遺伝子と相関を持つものであり、画像の不均一性は遺伝子の不均一性を示唆しうると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
神経膠腫症例の、個体間における遺伝子や画像の多様性については解析が概ね順調に進んだ。一方、個体内における遺伝子の不均一性の評価が、解析効率の観点で一定数まとめておこなうため、やや遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
定位的に採取されたサンプルの集積を継続し、腫瘍内不均一性の解析を行っていく予定である。また、一部解析例においては、マイクロアレイを含む網羅的解析を行いより詳細に検討する予定である。
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Causes of Carryover |
同一腫瘍内の複数部位での遺伝子や病理解析のためのサンプル準備に当初予定より時間を要している。解析効率の観点で、一定数の蓄積がされてから実施するため、そのための試薬購入が延期となり次年度使用額が発生した。次年度において解析が行われる予定であり、これに充当する予定である。
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