2017 Fiscal Year Annual Research Report
Netrin-1 as a novel therapeutic target of medulloblastoma
Project/Area Number |
16K20013
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Research Institution | Hiroshima International University |
Principal Investigator |
中山 寛尚 広島国際大学, 保健医療学部, 講師 (40512132)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 軸索誘導因子 / 髄芽腫 / 転移 / 血管新生 / 癌幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
小児脳腫瘍である髄芽腫(medulloblastoma)は、高い浸潤能および血管新生誘導作用を特徴としており、髄芽腫細胞自身から遊離される『軸索誘導因子netrin-1』が、これらの特性形成に深く関わっていることを報告している。本研究ではnetrin-1 を標的とした髄芽腫治療法確立を目指すため、より効果的なnetrin-1 シグナル阻害法を開発することを目的とした。 研究実施計画で提案したnetrin-1阻害環状ペプチド探索には、極めて純度の高いリコンビナント蛋白質精製が必要であった。しかし基礎検討の結果、細胞を用いたnetrin-1蛋白質合成系では精製度が低く、ゲルろ過やイオン交換膜を用いた精製を試みたが、精製度、蛋白量ともに探索に必要なものを得るに至らなかった。 そこで髄芽腫の浸潤性に寄与していると考えられている髄芽腫幹細胞集団に焦点を絞って検討を行った。その結果、髄芽腫幹細胞ではnetrin-1自身のみならず、特定のnetrinレセプターが過剰に発現していることを見出し、本レセプターを標的とするストラテジーに基づく阻害剤開発を目指すことを考えている。一方で、並行して行っていたマウスによる阻害剤評価系に関しては、髄芽腫移植モデルを作成することに成功した。Netrin-1を高発現する髄芽腫細胞を移植したマウスでは、コントロール髄芽腫細胞移植群に比べて腫瘍サイズ、血管新生、転移が有意に増加していることが明らかとなった。 以上の結果から、髄芽腫幹細胞に焦点を当てて解析した結果、より特異性の高いnetrinレセプター候補を決定することに成功し、今後の阻害剤開発に繋がるものと考えている。候補化合物を入手したのちには、すでに作成が完了している移植モデルマウスを用いて迅速に機能評価が行えるものと考えている。
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[Journal Article] Both Autocrine Signaling and Paracrine Signaling of HB-EGF Enhance Ocular Neovascularization.2017
Author(s)
Inoue Y, Shimazawa M, Nakamura S, Takata S, Hashimoto Y, Izawa H, Masuda T, Tsuruma K, Sakaue T, Nakayama H, Higashiyama S, Hara H.
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Journal Title
Arterioscler Thromb Vasc Biol.
Volume: 38
Pages: 174-185
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Downregulation of ANP32B exerts anti-apoptotic effects in hepatocellular carcinoma.2017
Author(s)
Ohno Y, Koizumi M, Nakayama H, Watanabe T, Hirooka M, Tokumoto Y, Kuroda T, Abe M, Fukuda S, Higashiyama S, Kumagi T, Hiasa Y.
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Journal Title
PLoS One.
Volume: 12
Pages: 0177343
DOI
Peer Reviewed
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