2018 Fiscal Year Annual Research Report
Development of treatment for radiation-induced brain injury using HMGB1 antibody
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16K20032
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高垣 匡寿 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (70724433)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 放射線脳障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、転移性脳腫瘍患者の生命予後が延長してきており、脳腫瘍治療などに対する放射線治療が引き起こす高次機能障害などの遅発性有害事象が問題となっている。これらが脳梗塞などの脳障害に関与しているとして近年注目されているHMGB1の核外放出を引き起こしていると仮定した。本研究の目的はラット脳を用いて 放射線照射後に生じる正常脳組織での放射線脳障害と、HMGB1の核外放出との関連性を明らかにするものであり、また、抗HMGB1抗体を用いて放射線脳障害の予防 につながる治療法を模索するものである。 平成30年度ではラット脳に対する放射線照射実験を繰り返し、一定の放射線量を照射することでHMGB1の核外放出が見られることが判明した。これまでに10Gy, 15Gy, 30Gyと照射量を変更し、6時間後、24時間後、48時間後と照射後の異なる時期での脳組織の評価を行った。その結果、照射後24時間後では線条体、歯状回を中心にHMGB1の核外放出が認められ、また、48時間後ではさらに皮質下において同様の減少が観察できた。平成29年度は大脳の片側の照射を行い、非照射側とその組織変化の違い、また、組織のサンプリングでのサイトカイン誘導の変化を観察するべく実験を行っていたが、動物の体動などによる問題で十分な実験結果を得ることができなかった。平成30年度ではその問題を克服するため、実験装置に工夫を加えて計画にそった放射線照射モデルを作成するための実験を行ったが、期待していたような実験結果を得ることはできなかった。
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Research Products
(5 results)