2017 Fiscal Year Research-status Report
敗血症によるエンドトキシン血症が筋力に及ぼす影響に関する研究
Project/Area Number |
16K20034
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
榎本 有希 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (30649231)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ICU-AW / 敗血症 / 筋力低下 / 熱傷 |
Outline of Annual Research Achievements |
プロジェクト1 敗血症患者のOxidative stress 当院に29年度までに入室した敗血症患者から 30検体について入院時の酸化ストレス(d-ROM/BAP) を測定し、基礎疾患、APACHE II (Acute Physiology and Chronic Health Evaluation)、SOFA (Sequential Organ Failure Assessment) score 最高値、SOFA 12 点以上の場合の不全臓器、MODS score、初発感染巣、血液培養結果、人工呼吸器日数、ICU 在室日数、入院日数、30日までの生命予後などのデータをあわせて収集した。予後や合併症に関して検討中であるが、現時点では特定の相関関係の確定には至っていない。また、当院でのICU-AWの実態把握を行った。 プロジェクト2 基礎的病態研究・敗血症モデル動物による分子病態・病理的研究 CLPによるモデルマウスの作成を試みたが、長期生存が可能だが、重度な後遺症を残しうるような状況とし、安定した状態で筋力低下を来す事が出来なかった。LPSの投与でも同様に、長期生存可能かつ重度な後遺症を残すモデルを安定して作成することが困難であった。そのためマウスの背部に熱傷を作ることで敗血症と同様のサイトカインストームを引き起こし、ICU-AWモデルを再現できるという仮定の下、新たなモデル作成に取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
プロジェクト1 敗血症患者のOxidative stress 今後も測定を継続するとともに、基礎疾患、 APACHE II (Acute Physiology and Chronic Health Evaluation)、SOFA scores 最高値、SOFA (Sequential Organ Failure Assessment) score12 点以上の場合の不全臓器、MODS score、初発感染巣、血液培養結果、人工呼吸器日数、ICU 在室日数、入院日数、30日までの生命予後、合併症に関してデータを集め検討中である。また、当院でのICU-AWの実態把握を行った。
プロジェクト2 基礎的病態研究・敗血症モデル動物による分子病態・病理的研究 CLPによるモデルマウスの作成を試みたが、安定した状態で筋力低下を来す事ができず、LPSの投与でも同様の結果であったため、背部に熱傷を作ることで敗血症と同様のサイトカインストームを引き起こし、ICU-AWを作れるという仮定の下、新たなモデル作成に取り組んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
プロジェクト1 敗血症患者のOxidative stress 平成30年度も継続して、自施設での敗血症患者のデータを集積する。
プロジェクト2 基礎的病態研究・敗血症モデル動物による分子病態・病理的研究 安定して筋力低下を引き起こし、解析可能なモデルの作成に努める。安定したモデルを作成後にシグナル遺伝子の検索・同定、投与群と非投与群の比較、臨床データとの比較を行う。ROS関連分子(d-ROM, BAP, 8-hydroxy-2’-deoxyguanosine, SOD, Caspase-1)、炎症性サイトカイン(TNF-α, IL-1β, IL-6, IFN, GDF-15)さらに血管新生因子(VEGF, VEGF receptors, Akt, Nitric oxide, eNOS, Angiopoietins, Tie receptors)の測定を連続して行う。測定終了後にラットの肺、肝、腎、脾臓などを摘出し、各臓器あたえる影響について検討する。腓腹筋を摘出し、ex vivoでの電気刺激、あるいは薬剤刺激での筋収縮力の検討、同様に、筋繊維単位でも同様の検討を行う。
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Causes of Carryover |
次年度の予算に加えてモデルマウスの購入に充てる予定である。
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