2016 Fiscal Year Research-status Report
軟部肉腫のGSK3βを標的とする新規治療法の開発と分子メカニズムの解明
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16K20040
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
阿部 健作 金沢大学, 附属病院, 医員 (60749191)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | GSK3β / 軟部肉腫 / 滑膜肉腫 / 線維肉腫 / in vivo |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度の研究実績を以下に挙げる。使用細胞は申請時6種類挙げていたが、扱いにくさが懸念され、SW684は本研究から外すこととした。以下に述べるのはその細胞株を外した結果である。 申請時に途中まで進めていた細胞増殖・生存能については全細胞株において濃度・時間依存性にGSK3β阻害薬の効果を認めた。増殖能についてはEdU assayにより、腫瘍細胞において、阻害薬投与群で有意に細胞増殖(DNA合成)能の抑制を認め、正常組織細胞株では有意差を認めなかった。western blottingにおいては軟部肉腫細胞株において活性型GSK3βを認め、正常組織細胞株では認めなかった。in vivoにおいては滑膜肉腫細胞株SYO-1と線維肉腫細胞株HT1080をヌードマウスに移植し、阻害剤を投与した。4週の経過で、有意に阻害剤投与群で腫瘍の増大を抑制していることを示した。また機序の一つとして、Gelatin zymography, real time PCRによる腫瘍細胞の遊走・浸潤能の検討を行った。阻害剤投与によりMMP-2の発現を抑えることを認め、そこから腫瘍細胞の遊走・浸潤能を抑えられることが示唆された。 またWnt/βカテニン経路の関連の証明を目指していたが、過去の報告を元に、今回目的とする作用機序では辻褄が合わなくなると判断し、別の機序を調べていくこととした。そこで、cyclin D1などのcell cycleに関わる因子の検討を現在行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り進んでいるように感じている。 残り1年で概ね実験は終わると思われます。
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Strategy for Future Research Activity |
残りのin vitroの部分を進めていきます。特にcyclin D1などの評価による機序の部分について重点的に行います。またsi RNA導入細胞でのGSK3βの発現や増殖・生存能の確認等を進めていく予定です。
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Causes of Carryover |
次年度使用額はほぼなく、誤差範囲だと考えます。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度分と合わせて研究費に使用したいと思います。
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Research Products
(1 results)