2018 Fiscal Year Annual Research Report
Pathogenic analysis and Exploratory study of novel biomarkers for desmoid-type fibromatosis using proteome analysis
Project/Area Number |
16K20047
|
Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
濱田 俊介 愛知県がんセンター(研究所), がん病態生理学分野, 研究員 (90747289)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | デスモイド型線維腫症 / WNT/β-catenin系シグナル / CTNNB1遺伝子 |
Outline of Annual Research Achievements |
デスモイド型線維腫症におけるWNT/β-catenin系シグナルの異常の原因としてCTNNB1遺伝子変異型の違いによる分子病態的な相違について注目した。デスモイド型線維腫症において主な変異型であるT41A変異型、S45F変異型および変異型のない腫瘍よりそれぞれ腫瘍細胞を分離し細胞培養を行った。これらの培養細胞を用いて各評価を行った。それぞれ培養状態での増殖能に大きな相違はみられなかったが、核内β-cateninや下流遺伝子(Axin-2, Cyclin-D1, C-myc, COX-2)の発現状態に相違が見られ、ばらつきがあるもののS45F変異型細胞が全体にWNT/β-catenin系シグナルの亢進が強い傾向が示唆された。また臨床検体においてもS45F変異型腫瘍は他の変異型と比較し有意にβ-cateninの核内移行が強いことを見出し報告した。(Hum Pathol. 84:155-163. 2019) さらにprotein microarrayを用いて各蛋白発現の評価を行った。過去の報告で示唆されているTGF-βやEGFRの蛋白発現亢進が遺伝子変異型によってみられることが示唆されたが、遺伝子型による違いが大きく全体的な傾向は掴めなかった。以上より、変異型の相違が何らかのWNT/β-catenin系シグナル発現亢進の相違を及ぼしており、このことがcrosstalkしている他のシグナル系と相まって再発や薬物治療抵抗性といった臨床的予後の相違に影響していることが示唆されたが、その詳細な機序については今後更なる評価が必要と考えられた。
|
Research Products
(1 results)