2017 Fiscal Year Research-status Report
膝前十字靭帯再建術後筋力回復促進へのハイドロゲル炭酸ガス療法の有効性
Project/Area Number |
16K20052
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
荒木 大輔 神戸大学, 医学部附属病院, その他 医員 (50514650)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 前十字靭帯 / 炭酸ガス / 膝関節 / 筋力回復 / スポーツ医学 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は神戸大学医学部附属病院において膝前十字靭帯(以下、ACL)再建術を施行予定かつ本研究を理解し同意を得られた患者を対象とし研究実施計画の検証を行った。本研究の目的は、ハイドロゲル炭酸ガス療法(炭酸ガス経皮吸収)によるACL再建術後の筋力回復の促進効果を明らかにすることであり、評価項目として膝関節機能評価(術後3,6,12,24ヶ月)、筋力評価(術後3,6,12,24ヶ月)、疼痛視覚的評価スケール(術後1,2,3週、1,3,6,12,24ヶ月)、運動機能検査(術後1,3,6,12,24ヶ月)、健康状態調査(術後1,3,6,12,24ヶ月)、ACL再建術後骨孔拡大への影響(術直後, 12,24ヶ月)を計画した。中でも筋力評価が最も重要な要素となるが、ハイドロゲル炭酸ガス療法の効果が最も予想される術直後の筋力評価のため、平成28年度の研究費で下肢筋力測定器ロコモスキャン(アルケア株式会社)を購入した。本機器を用いて健常ボランティアを用いて予備実験を行ったところ、肢位により取得データにばらつきがあることが判明した。そこで取得されたデータがどの筋力を反映するか評価するため、表面筋電図とロコモスキャンの同時計測を行い、ロコモスキャンデータがどの筋力を反映するか、また膝伸展筋力が収束して計測できる肢位を検討したところ、長座位での計測が望ましいことが明らかとなった。本データを元に研究実施計画を確定し、ハイドロゲル炭酸ガス療法によるACL再建術後の筋力回復の促進効果を検討中である。 また、本研究費を使用してアメリカ整形外科基礎学術集会に参加し、他研究機関での膝前十靭帯再建術後筋力回復に関する最新の知見を収集した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度の研究費にて購入した下肢筋力測定器ロコモスキャン (アルケア株式会社)を用いて術直後の下肢筋力データ取得を開始したが、取得データにばらつきを認めたため、評価方法の見直しを行った。上記の通り肢位の影響が考えられたこと、また得られたデータがどの筋力を反映するのかが不明であったため、肢位を変えたデータ取得、並びに表面筋電図を用いた筋力計測とロコモスキャンデータの再評価を行った。上記予備実験施行及び研究実施計画の詳細な方法確定のため、やや研究実施に遅れが生じている。
|
Strategy for Future Research Activity |
上記による術直後の伸展筋力評価方法の確定を踏まえ、次に述べる評価項目を利用して、ハイドロゲル炭酸ガス療法(炭酸ガス経皮吸収)による膝前十字靭帯再建術後の筋力回復の促進効果を明らかにする。特に、膝関節機能評価(術後3,6,12,24ヶ月)、膝伸展筋力評価(術前、術後2週、3,6,12,24ヶ月)筋力評価(術後3,6,12,24ヶ月)、疼痛視覚的評価スケール(術後1,2,3週、1,3,6,12,24ヶ月)、運動機能検査(術後1,3,6,12,24ヶ月)、健康状態調査(術後1,3,6,12,24ヶ月)、ACL再建術後骨孔拡大への影響(術直後, 12,24ヶ月)を評価する。また、入院期間、創治癒、有害事象の有無を評価する。
|
Causes of Carryover |
本年度は研究実施計画に見込んだ人件費・謝金使用はなかったため、6686円の余剰金が生じた。本研究費を次年度の人件費・謝金に使用予定である。
|