2016 Fiscal Year Research-status Report
神経障害性疼痛メカニズム解明による股関節痛治療体系の確立
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16K20053
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
鉄永 智紀 岡山大学, 大学病院, 助教 (90571224)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 臨床 |
Outline of Annual Research Achievements |
変形性股関節症患者は本邦で約500万人存在するが、一部に疼痛が慢性化・難治化し治療困難となる症例がある。このために必要とされる医療費や休職による経済的損失は計り知れない。本研究は、①難治性股関節痛の発生機序・②脳活動との関連などの未だ明らかになっていない基礎的なメカニズムの解明、③これまで困難とされてきた難治性股関節痛の治療を目指し、機能的MRI(fMRI), ポジトロン断層法(PET)を使用した痛みの可視化による新たな診断技術の確立、特に治療抵抗性と言われる神経障害性疼痛のメカニズムについて解明することを目的としている。その成果は、医療費削減につながる従来にない革新的診断・治療システムの実用化につながる。 2016年度には、股関節痛の疫学的解析として、股関節痛患者に対しpainDETECT, NRS, BS-POP, SDSを使用してアンケート調査を行い、股関節痛の性質(神経障害性疼痛、心因性疼痛の有無)について情報収集を行っている。画像上関節症性変化の乏しい患者に対しMRIを施行し股関節唇損傷の有無について検討している。また、学会への参加を通して、股関節痛のみならず様々な疼痛患者に対する診断、治療について情報収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2016年6月~8月までアメリカへの短期留学を行ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
2017年度は、神経障害性疼痛を有する患者に対しfMRIによる画像診断の検討を行うこと、関節内組織を採取しその組織学的検討を行う。その結果を踏まえて股関節痛患者における神経障害性疼痛を有する患者に対する診断ツールを作成する。
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Causes of Carryover |
2016年6月~8月までの3か月間アメリカへの短期留学を行ったため、当初の予定であった関節組織の組織学的検討を行うための試薬・抗体を使用するために購入しなかったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2017年度に上記検討を追加で行う。また、予定通り研究成果発表、学術誌投稿等を行う。
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