2018 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of treatment system for hip pain by elucidation of neuropathic pain mechanism
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16K20053
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
鉄永 智紀 岡山大学, 大学病院, 助教 (90571224)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 疼痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は変形性股関節症患者が有する神経障害性疼痛のいまだ解明されていない基礎的研究を行い、変形性股関節症患者における神経障害性疼痛を診断する新たな診断ツールを用いた新しい診断方法や治療薬の臨床応用に展開するための基盤となる研究である。以下の項目について検討した。 1.変形性股関節症の病期別による神経障害性疼痛の割合を明らかにした。神経障害性疼痛の割合は変形性股関節症の病気が進行してもそれほど増加せず、初期から認められた。2.変形性股関節症患者と画像上関節症性変化を認めないが股関節痛を有する患者で疼痛の性質が異なるかどうかを検討した。画像上関節症性変化を認めない症例では、関節唇損傷を認めているあるいは股関節を動かすことで股関節周囲筋の付着部炎のような症状であった。関節症性変化を認める症例はほとんどが侵害受容性疼痛であったが、画像上の関節症性変化を認めない症例では神経障害性疼痛の素因を認める症例があった。また、変形性膝関節症と比較すると変形性股関節症では心因性疼痛の素因を認める症例が多かった。3.神経障害性疼痛を有する患者における股関節MRI上での特徴を検討したが、症例ごとのばらつきが多く、ある一定の傾向は認めなかった。4.fMRIを用いて神経障害性疼痛、心因性疼痛、侵害受容性疼痛と診断された患者で違いがあるかどうか検討したが、神経障害性疼痛・心因性疼痛と侵害受容性疼痛では症例ごとのばらつきがあり、ある一定の違いを認めることは困難であった。今後さらに症例数が増えればその傾向が出てくる可能性はあると考える。
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Research Products
(4 results)