2017 Fiscal Year Research-status Report
microRNAと骨髄単核球移植を併用した骨壊死症に対する新たな治療戦略
Project/Area Number |
16K20056
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
庄司 剛士 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 寄附講座助教 (50736569)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 大腿骨頭壊死症 / microRNA / 骨髄単核球 / 血管再生 / 骨再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度では、1. ステロイド性骨壊死症と関連の強いmicroRNA(miRNA)のサイトカインの発現プロファイルに着目して、血管形成能と細胞分化促進能についての検討、2. 血管・骨形成作用を有するmiRNA投与による単核球の遊走能およびサイトカイン分泌変化の解析, また3. ラットステロイド性骨壊死モデルを用いてmiRNA導入骨髄単核球による壊死骨の再生効果を明らかにするため以下の研究を行った。 1.ステロイド性大腿骨頭壊死症手術患者の大腿骨頭におけるmiRNAのプロファイルから得られたmiRNA(miR-31, miR-34a, miR-146, miR-210, miR-218)をそれぞれ、in vitro実験系において、各miRNAの血管新生能、骨増殖能について評価した。その結果、それぞれのmiRNAで血管新生能、また骨増殖能が亢進する結果が得られたが、その中でmiR-31, miR-210では他のmiRNAと比較し、有意に血管新生能、また骨増殖能が高い結果となった。 2. in vitro実験系において、培養骨髄単核球と上述したmiRNAを低酸素下で培養し、VEGF, FGF, osteocalcin, Runx2, Alkaline phosphatase, TypeⅠcollagenの濃度を測定し、血管形成能、骨増殖能が有意に促進したmiRNAの選別を行った。 3.ラットステロイド性骨壊死症モデルの作成方法確立のため、先に報告されたモデルに準じ、骨壊死発生率の評価を行っているが、現在のところ明らかな壊死領域を認めるモデルを作成できるまでには至っていない。そのため平行して、上記結果で得られたmiRNAを骨折偽関節モデルに対し投与し、in vivoでの血管新生能、骨形成能につき評価を行っている
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
大腿骨頭壊死症患者由来の大腿骨頭における骨髄でのmiRNA, mRNAの発現プロファイルを解析、選別し、各miRNAの血管新生能、骨増殖能について評価を行い、大腿骨頭壊死症の修復に有用と考えられるmiRNAを確認した。現在、先に報告された方法に準じ、ラットステロイド性骨壊死症モデルの作成並びに骨壊死発生率の評価を行っているが、壊死発生率が一定ではなく改良を試みている。またそれと平行して、骨折偽関節モデルに対しmiRNAを投与し血管新生能、骨形成能につき評価を行っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
安定したラットステロイド性大腿骨頭壊死モデルの作成方法、評価方法の確立を目指しているが、モデルの作成がいまだ困難である。現在は、骨折偽関節モデルに対しmiRNAを投与し血管新生能、骨形成能につき評価を行っているが、有効性が認められれば、併せて骨髄単核球の移植を行い、血管再生、骨再生の評価を行う予定としている。
|
Causes of Carryover |
安定したラットステロイド性大腿骨頭壊死モデルの作成方法、評価方法の確立を目指しているが、モデルの作成が困難であり、in vivoでの実験を行うことができなかったため次年度使用額が生じる結果となった。現在は、骨折偽関節モデルに対しmiRNAを投与し血管新生能、骨形成能につき評価を行っているが、有効性が認められれば、併せて骨髄単核球の移植を行い、血管再生、骨再生の評価を行う予定としている。
|