2017 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular biological study of novel gene therapy for pain that is difficult to treatment.
Project/Area Number |
16K20077
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
神田 恵 旭川医科大学, 医学部, 助教 (50516820)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 神経障害性疼痛 / 遺伝子治療 / 妊娠による鎮痛効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、痛みの遺伝子治療に着目した研究の報告を行ってきた。本研究ではそれらの研究成果を発展させ、神経障害性疼痛モデルラットへのアンチセンス法を用いた遺伝子治療による鎮痛効果を行動解析ならびに分子生物学的に検討を行うこととしていた。しかしながら、当初予定していたアンチセンス投与による遺伝子治療の効果が安定しないため、我々は、ウイルスベクターを用いた遺伝子治療の効果とそのメカニズムを調べることに変更し、その有用性とメカニズムを解明する研究を進めた。この研究成果は2017年に英文誌へ掲載済みである。現在、疼痛モデルを用いた実験系において上述の遺伝子治療の検証に加え、妊娠による疼痛治療に着目して妊娠による鎮痛効果を調査している。これら痛みの遺伝子治療の有用性とメカニズム解明に関する研究ならびに、妊娠による鎮痛機序の解明に関する研究の両方において、アロディニアの刺激閾値は、von Freyフィラメントを使用して測定し、疼痛群ではコントロール群と比較して機械的閾値が有意に減少することを明らかにした。ウイルスベクターによる遺伝子治療、もしくは妊娠による疼痛治療をおこなった治療群では、機械的閾値が有意に上昇した。行動解析に続いて、鎮痛機序を解明するため、ウエスタンブロット法によりいくつかの疼痛関連物質の発現を評価した。これらの知見は2016年、2017年の米国麻酔科学会で報告した。妊娠による鎮痛に関する報告は2017年に英文誌に掲載済である。遺伝子治療や妊娠による鎮痛効果のメカニズムは未だ明らかになっておらず、これらの知見は将来的に痛みの新たな治療につながる意義深いものと考えている。今後も、これらの研究成果をさらに発展させ、免疫染色法等を用いた鎮痛メカニズムの解明は今後の課題である。
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Research Products
(4 results)