2019 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of a new therapeutic approach in a rat HUS model
Project/Area Number |
16K20086
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
栗田 昭英 金沢大学, 附属病院, 准教授 (10507081)
|
Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | HUS |
Outline of Annual Research Achievements |
HUSは腸管出血性大腸菌によって産生排出されるベロ毒素がその病態形成に関与していることが想定されているが,その治療法には効果的なものがなく,対症療法に限られる.そこでわれわれは,HUSの効果的な治療法の開発を最終的な目標として,HUSモデル動物の作成から実験を開始した.一昨年度は,3回に分割してベロ毒素を腹腔内投与することによって急激な循環動態の変化を来さず にHUSを発症させられないか検討し,死亡率としては0.2μg/kg×3回, 0.3μg/kg×3回の腹腔内投与が今後の治療法の検討を行う上で有用であると発表した.このモデル動物をもとに治療法の検討を考えていたが,この実験系で使用していた麻酔薬であるペントバルビタールの製造が打ち切られることが通達された.したがってわれわれは,麻酔法以外のすべてをこれまでと同一にしたモデルで,麻酔法のみを吸入麻酔薬であるセボフルランで行うモデルを新たに作成した.しかし,このモデルの生存率(セボフルラン群100%)が,これまでペントバルビタールで麻酔を行っていたモデル(ペントバルビタール群60%)よりも明らかに高いため,技術的な差異を排除した後に,この麻酔法の違い自体が生存率に差異を与えているのではないかと考えるに至った.今後は,セボフルランが虚血再灌流障害モデルなどで提唱されているanesthetic preconditioning効果や抗炎症効果などに注目して研究を続けていきたい.
|