2016 Fiscal Year Research-status Report
敗血症性ショックにおいて腹部臓器から放出される細胞外小胞が多臓器不全へ与える影響
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16K20091
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
坂倉 庸介 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (50608940)
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Project Period (FY) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 細胞外小胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
EV(Extracellular vesicles=microvesicles + exosomes)は血中を介して遠隔臓器に到達した後、標的細胞の表面レセプターに結合しシグナルを伝達、又は内包分子を標的細胞内にデリバリーし、標的細胞を活性化することができると考えられている。そのためEV表面には細胞接着に関わる分子が多く発現しているはずである。そこで我々はin vitroの系で各種癌細胞(HCT116、MDA-MB231など)から放出されるmicrovesicle(MV)とexosome(Exo)の双方に含まれる蛋白質の中で細胞接着に関与する分子の同定およびその生理活性の確認を試みた。 さらに細胞膜上に発現する細胞接着分子は炎症刺激により活性化する点に注目し、我々はそのような炎症状況に置けるMV、Exoの機能的変化にも注目して解析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成28年度は各種癌細胞から放出されるEVの細胞表面に発現する分子の同定を試みた。EV表面には細胞接着分子が多く発現していたが、敗血症で放出されるEV(多くはマクロファージと血小板から放出されている)も同様に細胞接着分子を発現し、さらにこれらのEVは敗血症患者で認められる血管内皮細胞の障害に関与していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度はまずマクロファージへ分化したTHP-1細胞から放出されるEVでも接着細胞と同様に表面上に接着分子を発現しているか確認する。 その後、患者血液(敗血症患者)および健常人から抽出したMVおよびExoを用いて、EV表面に発現している接着分子の同定、さらに内部に内包されている核酸やメディエーターの同定を行い、敗血症性ショックのバイオマーカーとして機能するかどうか、臨床的に診断した病期と重症度評価(APACHE IIスコア)との相関を詳細に検討する。
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Causes of Carryover |
初年度ということもあり、研究成果が学会発表の水準にまでは達しなかった部分があり、学会などへの出張を行わなかった。 また実験で使用する試薬などについて検討中だったことがあげられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
これらの金額と次年度以降に請求する研究費を合わせた使用計画としては、研究図書、試薬の購入、学会への参加のための旅費、海外文献の翻訳として使用することなどを計画している。
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